脂質アシルトランスフェラーゼを用いる食用油精製のためのプロセス
专利摘要:
a)約0.1〜5%w/wの水を食用油(好ましくは、粗製食用油)および脂質アシルトランスフェラーゼと混合する工程と、b)約45〜約90℃で約10分間〜180分間、前記混合物を撹拌する工程と、c)油相とガム相を分離する工程とを含む、食用油(好ましくは、粗製食用油)を水脱ガムするプロセス。一実施形態において、脂質アシルトランスフェラーゼは、好ましくは、ホスホリパーゼC酵素と組み合わせて用いられる。脂質アシルトランスフェラーゼを用いる脱ガム油のガム相を改変するためのプロセスもまた本明細書に教示される。 公开号:JP2011505865A 申请号:JP2010538882 申请日:2008-12-11 公开日:2011-03-03 发明作者:ヨルン;ボルク ソエ,;アン;ビクトリア ブラウン, 申请人:ダニスコ エイ/エス; IPC主号:C12P7-64
专利说明:
[0001] (関連する出願への参照) 以下の関連する出願を参照する:US2002−0009518、US2004−0091574、国際公開第2004/064537号、国際公開第2004/064987号、国際公開第2005/066347号、国際公開第2005/066351号、2006年2月2日に出願された米国特許出願第60/764,430号、国際公開第2006/008508号、国際特許出願第PCT/IB2007/000558号および米国特許出願第11/671,953号。これらの出願の各々およびこれらの出願の各々において引用された文献の各々(「出願引用文献」)、ならびに該出願引用文献において参照または引用された各文献は、これらの出願の文中または実行の間のいずれかにおける、ならびにそのような実行の間に進んだ特許性のサポートにおける議論は、参考により本明細書中に援用される。種々の文献がまた、本文中で引用される(「明細書引用文献」)。明細書引用文献のそれぞれ、および明細書引用文献中で引用または参照された各文献は、参考により本明細書中に援用される。] [0002] 本発明は、脂質アシルトランスフェラーゼを用いる食用油(好ましくは、植物油)精製プロセスに関する。本発明はさらに、脂質アシルトランスフェラーゼを用いる、食用油(好ましくは、粗製食用油)(例えば、植物油)および/または食用油(好ましくは、植物油)のガム相を処理するプロセスに関する。] 背景技術 [0003] 脂質アシルトランスフェラーゼは、食品用途において有利であることは公知である。脂質アシルトランスフェラーゼは、食材中にかなりのアシルトランスフェラーゼ活性を有することが見出されている。この活性は、食材を調製する方法において驚くべき有益な適用をもつ。] [0004] 例えば、特許文献1は、脂質アシルトランスフェラーゼの使用による乳化剤のインサイチュー生成のための方法およびそれに関連する利点を開示する。] [0005] 国際特許出願第PCT/IB2001/000558号は、(異種性)宿主細胞における脂質アシルトランスフェラーゼの発現を教示し、参照により本明細書に組み入れられている。] [0006] 食用油精製の目的は、質(例えば、味、香り、および外観)および貯蔵性に影響する望ましくない不純物を除去することである。] [0007] 遊離脂肪酸、金属イオン、有色化合物、臭気、ガムなど、幅広い種類のこれらの不純物のために、一連の化学的および物理的プロセスが、通常、精製のために用いられる(例えば、非特許文献1参照)。] [0008] 伝統的には、物理的脱ガムプロセスおよび化学的脱ガムプロセスである2つのプロセスが、油の脱ガムのために用いられている。] [0009] いわゆる化学的精製において、ほとんど全ての遊離脂肪酸含有量が、大過剰量のNaOHでの最初の処理によって除去される。また、リン脂質含有量は、典型的には10ppm未満のリンレベルまで減少する。油は続いて、脱色および脱臭される。] [0010] いわゆる物理的精製は、一般的に、水脱ガム段階、続いて、酸脱ガム、中和、脱色、遊離脂肪酸を除去するための水蒸気蒸留、および脱臭からなる。] [0011] 物理的精製中に酸脱ガムを用いる代わりに、酵素的脱ガムを用いるように発展した。] [0012] 酵素的脱ガムプロセスは、膵臓ホスホリパーゼの使用に基づいて開発された。この酵素はユダヤ教の掟にかなっていなかったため、ホスホリパーゼは、結局、微生物のホスホリパーゼA1(Lecitase UltraTM、Novozymes、Denmark)(非特許文献2)によって置き換えられた。] [0013] 酵素的プロセスは、費用節約、より高い収率、およびより環境に優しいプロセスを含む、化学的または物理的脱ガムプロセスに対していくつかの優位性を有する。] [0014] 酵素的油脱ガムプロセスは、既に水脱ガムされた油へのホスホリパーゼの添加に基づいた。] [0015] 特許文献2において、食用油の酵素的脱ガム用に、脂質アシルトランスフェラーゼが教示された。特許文献2は、水脱ガムされた油への脂質アシルトランスフェラーゼの添加、または油が水脱ガムプロセスを受ける必要のない、粗製油への脂質アシルトランスフェラーゼの添加を教示する。] [0016] 「水脱ガムされた油」は、典型的には、1〜2%w/wの熱い軟水を温かい(70〜90℃)粗製油と混合することを含む通常の「水脱ガムプロセス」によって獲得することができる(AOCS脂肪および油の処理入門(AOCS Introduction to the Processing of Fats and Oils)、表8、脱ガムプロセス(Degumming Processes)、http://www.aocs.org/meetings/education/mod3sample.pdf)。粗製油に加えられる水の量が、典型的には、粗製油中のリン脂質の量とほぼ等しいことは経験則である。通常の処理時間は、30〜60分間である。水脱ガム段階は、水和した場合、油中で不溶性になるホスファチドおよび粘着性ガムを除去する。水和ホスファチドおよび水和ガムは、沈殿、濾過、または遠心分離によって油から分離することができ、遠心分離の実施がより普及している。前記の水脱ガムプロセスにおける本質的な目的は、水和ホスファチドを油から分離することである。上記の熱水の油への混合は、当技術分野における標準的な水脱ガム手順に従う水溶液の油への混合として、本明細書では広く理解されるべきである。] [0017] 通常の水脱ガムプロセスにおいて、ホスファチドの主要部分は、重いガム相において除去される。水脱ガムプロセスの終わりに、油相はガム相から分離される。ガム相はさらに商品へと加工することができるが、それは、本質的に油精製の副産物としてみなされる。商業的に重要であるのは、油相である。しかしながら、ホスファチドは、良い乳化剤であり得るため、水脱ガム中のガム相において、いくらかの油が必然的に失われる。これは、水脱ガム後の油相における油の収率の低下をもたらす。] [0018] 油価格の高騰およびバイオディーゼルのための植物油の必要性の増大で、高い油収率のために食用油の処理を最適化することが重要である。] [0019] 国際公開第2004/064537号 国際公開第2006/008508号] 先行技術 [0020] Bailey’s Industrial Oil and Fat Products、2006年、John Wiley & Sons、第6版 Oil Mill Gazetteer、111巻、2005年7月、2〜4頁] 課題を解決するための手段 [0021] 本発明の態様は、特許請求の範囲および以下の解説に提示されている。] [0022] 驚くべきことに、水脱ガムプロセスを実行する間または前に、1つまたは複数の脂質アシルトランスフェラーゼを粗製食用油に加えることによって、油相中の油の収率を有意に増加させ得ることが見出された。換言すれば、油のガム相への損失を有意に低下させることができる。] [0023] 加えて、驚くべきことに、水脱ガムプロセスを実行する間または前に、1つまたは複数の脂質アシルトランスフェラーゼを粗製食用油に加えることによって、得られたガム相がはるかに粘性が低いことが見出された。これは、より有利な遠心分離パラメーターを可能にすることができる。] [0024] 驚くべきことに、水脱ガムプロセスを実行する間または前に、1つまたは複数の脂質アシルトランスフェラーゼを粗製食用油に加えることによって、このプロセスから得られたガム相は、インキュベートまたは貯蔵することができ、ガム相中のリン脂質の(残存する活性脂質アシルトランスフェラーゼによる)さらなる加水分解を観察し得ることもまた見出された。その後、本発明者らは、ガム相において遊離脂肪酸(酸性油)および残存するトリグリセリドを含む油性相を単離することが可能であることを見出している。この酸性油は、食事に加えられる通常のガム相より高い価格で販売することができる。加えて、驚くべきことに、(酸性油の分離後の)残っている固相は、通常のガムよりリンレベルが高く、したがって、有機リンの供給源として用いることができることを見出している。] [0025] 驚くべきことに、1つまたは複数の脂質アシルトランスフェラーゼおよび1つまたは複数のホスホリパーゼC(PLC)の酵素の組合せが、食用油(例えば、植物油)の脱ガムに用いられた場合、相乗効果を生じることもまた見出している。] 図面の簡単な説明 [0026] Asn80Aspの変異(特に、アミノ酸80は成熟配列中にある)を有する変異体Aeromonas salmonicida成熟脂質アシルトランスフェラーゼ(GCAT)のアミノ酸配列(配列番号16)を示す図である。 Aeromonas hydrophila(ATCC#7965)由来の脂質アシルトランスフェラーゼアミノ酸配列(配列番号1)を示す図である。 データベースバージョン6からのpfam00657コンセンサス配列(配列番号2)を示す図である。 生物Aeromonas hydrophila(P10480;GI:121051)から獲得したアミノ酸配列(配列番号3)を示す図である。 生物Aeromonas salmonicida(AAG098404;GI:9964017)から獲得したアミノ酸配列(配列番号4)を示す図である。 生物Streptomyces coelicolor A3(2)(Genbankアクセション番号NP_631558)から獲得したアミノ酸配列(配列番号5)を示す図である。 生物Streptomyces coelicolor A3(2)(Genbankアクセション番号:CAC42140)から獲得したアミノ酸配列(配列番号6)を示す図である。 生物Saccharomyces cerevisiae(Genbankアクセション番号P41734)から獲得したアミノ酸配列(配列番号7)を示す図である。 生物Ralstonia(Genbankアクセション番号:AL646052)から獲得したアミノ酸配列(配列番号8)を示す図である。 配列番号9を示す図である。仮説上のタンパク質[Streptomyces coelicolor A3(2)]を保存するScoe1NCBIタンパク質アクセションコードCAB39707.1 GI:4539178。 配列番号10として表されるアミノ酸を示す図である。仮説上のタンパク質[Streptomyces coelicolor A3(2)]を保存するScoe2 NCBIタンパク質アクセションコードCAC01477.1 GI:9716139。 アミノ酸配列(配列番号11)Scoe3 NCBIタンパク質アクセションコードCAB88833.1 GI:7635996推定上の分泌タンパク質を示す図である。[Streptomyces coelicolor A3(2)] アミノ酸配列(配列番号12)Scoe4 NCBIタンパク質アクセションコードCAB89450.1 GI:7672261 推定上の分泌タンパク質を示す図である。[Streptomyces coelicolor A3(2)] アミノ酸配列(配列番号13)Scoe5 NCBIタンパク質アクセションコードCAB62724.1 GI:6562793 推定上のリポタンパク質を示す図である。[Streptomyces coelicolor A3(2)] アミノ酸配列(配列番号14)Srim1 NCBIタンパク質アクセションコードAAK84028.1 GI:15082088。GDSL−リパーゼを示す図である。[Streptomyces rimosus] Aeromonas salmonicida亜種Salmonicida(ATCC#14174)由来の脂質アシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列(配列番号15)を示す図である。 配列番号19を示す図である。仮説上のタンパク質[Streptomyces coelicolor A3(2)]を保存するScoe1 NCBIタンパク質アクセションコードCAB39707.1 GI:4539178。 Aeromonas hydrophila脂質アシルトランスフェラーゼ遺伝子の変異誘発のために使用される融合構築物のアミノ酸配列(配列番号25)を示す図である。下線付きのアミノ酸はキシラナーゼシグナルペプチドである。 Streptomyces由来の脂質アシルトランスフェラーゼ酵素のポリペプチド配列(配列番号26)を示す図である。 Thermobifida由来の脂質アシルトランスフェラーゼ酵素のポリペプチド配列(配列番号27)を示す図である。 Thermobifida由来の脂質アシルトランスフェラーゼ酵素のポリペプチド配列(配列番号28)を示す図である。 Corynebacterium efficiens由来の脂質アシルトランスフェラーゼ酵素GDSx 300アミノ酸のポリペプチド(配列番号29)を示す図である。 Novosphingobium aromaticivorans由来の脂質アシルトランスフェラーゼ酵素GDSx 284アミノ酸のポリペプチド(配列番号30)を示す図である。 Streptomyces coelicolor由来の脂質アシルトランスフェラーゼ酵素GDSx 269aaのポリペプチド(配列番号31)を示す図である。 Streptomyces avermitilis由来の脂質アシルトランスフェラーゼ酵素\GDSx 269アミノ酸のポリペプチド(配列番号32)を示す図である。 Streptomyces由来の脂質アシルトランスフェラーゼ酵素のポリペプチド(配列番号33)を示す図である。 生物Aeromonas hydrophila(P10480;GI:121051)から獲得したアミノ酸配列(配列番号34)を示す図である(特に、これは成熟配列である)。 変異体Aeromonas salmonicida成熟脂質アシルトランスフェラーゼ(GCAT)のアミノ酸配列(配列番号35)を示す図である(特に、これは成熟配列である)。 Streptomyces thermosacchari由来のヌクレオチド配列(配列番号36)を示す図である。 Streptomyces thermosacchari由来のアミノ酸配列(配列番号37)を示す図である。 Thermobifida fusca/GDSx 548アミノ酸由来のアミノ酸配列(配列番号38)を示す図である。 Thermobifida fusca由来のヌクレオチド配列(配列番号39)を示す図である。 Thermobifida fusca/GDSx由来のアミノ酸配列(配列番号40)を示す図である。 Corynebacterium efficiens/GDSx 300アミノ酸由来のアミノ酸配列(配列番号41)を示す図である。 Corynebacterium efficiens由来のヌクレオチド配列(配列番号42)を示す図である。 S.coelicolor/GDSx 268アミノ酸由来のアミノ酸配列(配列番号43)を示す図である。 S.coelicolor由来のヌクレオチド配列(配列番号44)を示す図である。 S.avermitilis由来のアミノ酸配列(配列番号45)を示す図である。 S.avermitilis由来のヌクレオチド配列(配列番号46)を示す図である。 Thermobifida fusca/GDSx由来のアミノ酸配列(配列番号47)を示す図である。 Thermobifida fusca/GDSx由来のヌクレオチド配列(配列番号48)を示す図である。 GDSxモチーフ(L131およびS.avermitilisおよびT.fuscaにおいてGDSY)、GANDYボックス(GGNDAまたはGGNDLのいずれかである)およびHPTブロック(保存された触媒ヒスチジンと考えられる)の保存を表す、S.avermitilisおよびT.fusca由来のL131および相同体のアラインメントを示す図である。これら3種の保存されたブロックを強調する。 Candida parapsilosis由来の脂質アシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列である配列番号17を示す図である。 Candida parapsilosis由来の脂質アシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列である配列番号18を示す図である。 活性部位にグリセロールを有する1IVN.PDB結晶構造のリボン表示を示す図である。図はDeep View Swiss−PDB viewerを使用して作成された。 1IVN.PDB結晶構造を示す図である。Deep View Swiss−PDB viewerを使用した側面図、活性部位にグリセロールを有する、活性部位グリセロールの10Å内の残基を黒色にする。 1IVN.PDB結晶構造を示す図である。Deep View Swiss−PDB viewerを使用した上面図、活性部位にグリセロールを有する、活性部位グリセロールの10Å内の残基を黒色にする。 アラインメント1を示す図である。 アラインメント2を示す図である。 P10480(P10480はA.hydrophila酵素についてのデータベース配列である)に対する1IVNのアラインメントを示す図であり、このアラインメントはPFAMデータベースから獲得して、モデル構築プロセスにおいて使用された。 P10480(P1048はA.hydrophila酵素についてのデータベース配列である)に対する1IVNのアラインメントを示す図であり、このアラインメントはPFAMデータベースから獲得して、モデル構築プロセスで使用された。 P10480がAeromonas hydrophilaについてのデータベース配列であるアラインメントを示す図である。この配列をモデル構築および部位選択のために使用する。全長タンパク質(配列番号25)が示され、成熟タンパク質(配列番号34と同じ)は残基19から始まることを記す。A.salはAeromonas salmonicida(配列番号4)GDSXリパーゼであり、A.hydはAeromonas hydrophila(配列番号34)GDSXリパーゼである。コンセンサス配列は、列挙した配列間で異なっている位置に*を含む。 実施例1において使用した遺伝子構築物を示す図である。 実施例1において使用したコドン最適化遺伝子構築物(no.052907)を示す図である。 LAT−KLM3’前駆体遺伝子を含有するXhoI挿入物の配列を示す図であり、−35および−10ボックスに下線をつける。 1%トリブチリンアガー上、37℃で48時間増殖後のBML780−KLM3’CAP50(配列番号16を含む−上のコロニー)およびBML780(ホスト株のみ−下のコロニー)を示す図である。 シグナル配列(プレLAT−位置1〜87)を含むAeromonas salmonicida由来のヌクレオチド配列(配列番号49)を示す図である。 生物Aeromonas hydrophilaから獲得した本発明による脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列(配列番号50)を示す図である。 生物Aeromonas salmonicidaから獲得した本発明による脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列(配列番号51)を示す図である。 生物Streptomyces coelicolor A3(2)(Genbankアクセション番号NC_003888.1:8327480..8328367)から獲得した本発明による脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列(配列番号52)を示す図である。 生物Streptomyces coelicolor A3(2)(Genbankアクセション番号AL939131.1:2655480..266367)から獲得した本発明による脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列(配列番号53)を示す図である。 生物Saccharomyces cerevisiae(Genbankアクセション番号Z75034)から獲得した本発明による脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列(配列番号54)を示す図である。 生物Ralstoniaから獲得した本発明による脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列(配列番号55)を示す図である。 仮説上のタンパク質[Streptomyces coelicolor A3(2)]を保存するNCBIタンパク質アクセションコードCAB39707.1 GI:4539178をコードする配列番号56として示されるヌクレオチド配列を示す図である。 仮説上のタンパク質[Streptomyces coelicolor A3(2)]を保存するScoe2 NCBIタンパク質アクセションコードCAC01477.1 GI:9716139をコードする配列番号57として示されるヌクレオチド配列を示す図である。 Scoe3 NCBIタンパク質アクセションコードCAB88833.1 GI:7635996推定上の分泌タンパク質[Streptomyces coelicolor A3(2)]をコードする配列番号58として示されるヌクレオチド配列を示す図である。 Scoe4 NCBIタンパク質アクセションコードCAB89450.1 GI:7672261推定上の分泌タンパク質[Streptomyces coelicolor A3(2)]をコードする配列番号59として示されるヌクレオチド配列を示す図である。 Scoe5 NCBIタンパク質アクセションコードCAB62724.1 GI:6562793推定上のリポタンパク質[Streptomyces coelicolor A3(2)]をコードする配列番号60として示されるヌクレオチド配列を示す図である。 Srim1 NCBIタンパク質アクセションコードAAK84028.1 GI:15082088 GDSL−リパーゼ[Streptomyces rimosus]をコードする配列番号61として示されるヌクレオチド配列を示す図である。 Aeromonas hydrophila(ATCC#7965)由来の脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列(配列番号62)を示す図である。 Aeromonas salmonicida亜種、Salmonicida(ATCC#14174)由来の脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列(配列番号63)を示す図である。 キシラナーゼシグナルペプチドを含有するAeromonas hydrophila由来の酵素をコードするヌクレオチド配列(配列番号24)を示す図である。 本明細書において配列番号16としておよび翻訳後修飾を受けた後は配列番号68として示すAsn80Aspの変異(特にアミノ酸80は成熟配列中にある)を有する変異体Aeromonas salmonicida成熟脂質アシルトランスフェラーゼ(GCAT)のアミノ酸配列(配列番号68のアミノ酸残基235および236は翻訳後修飾の後に共有結合していない)を示す図である。形成された2つのペプチドは、1つまたは複数のS−S架橋によって保持される。配列番号68中のアミノ酸236は本明細書において示す配列番号16中のアミノ酸残基番号274に相当する。 粗製食用油を水脱ガム/精製するための従来プロセスを示す図である。水脱ガムの最後に油相およびガム相が分離される。この後に油相およびガム相は従来の/公知の方法によってさらに加工され得る。 酵素で粗製食用油を水脱ガム/精製するための本発明によるプロセスを示す図である。油相とガム相とが分離される際に獲得される油相は、比較するプロセス(すなわち図74aに示すプロセス、すなわち酵素を加えない水脱ガム)の油相と比較してより高い収率を有する。油相および/またはガム相は、任意選択でさらなる従来の加工法などでさらに加工され得る。 本発明による実験室規模の水脱ガムプロセスの工程系統図である。 水脱ガムに続くガム相および油相の分析についての図解である(すなわち、図74aまたはbのステップ1)。 本発明に従った粗製ダイズ油の水脱ガム後3時間でのガム相を示すグラフである。 粗製ダイズ油の酵素を使うおよび使わない水脱ガム後30分間でのガム%を示すグラフである。 粗製ダイズ油の水脱ガム後のガムの量についての水の量(1.5、2または2.5%)の効果を示すグラフである。 酵素を使うおよび使わない粗製ダイズ油の水脱ガム後ガムの量についての、様々な量の水(1.5、2または2.5%)での脱ガムでの酵素を使うおよび使わない効果を示すグラフである。 異なる投与量の酵素での粗製ダイズ油の水脱ガム後の油相中のリンのppmを示すグラフである。カラム1は酵素を使わない対照である。 異なる投与量の酵素での粗製ダイズ油の水脱ガム後のガム相中のトリグリセリド%を示すグラフである。カラム1は酵素を使わない対照である。 異なる投与量の酵素での粗製ダイズ油の水脱ガム後のガム相中の相対的PA%を示すグラフである。カラム1は酵素を使わない対照である。 異なる投与量の酵素での粗製ダイズ油の水脱ガム後のガム相中の相対的PE%を示すグラフである。カラム1は酵素を使わない対照である。 対照と比較して酵素的脱ガムにおいて獲得された油の収率(%)の増加を示すグラフである。油は3分間様々な相対遠心力で遠心分離される。 異なる時間(棒の中に示す分)で遠心分離された油から獲得されたガムの含有量(%)およびガム中のトリグリセリドの量を示すグラフであり、異なる相対遠心力が示されている。バッチ3:対照 55℃、4:酵素(KLM3’)使用 55℃。 ずり速度の関数としての粘性を示すグラフである。測定値はバッチ1:対照 70℃およびバッチ2:酵素使用70℃からのガムによる。 ガムの量(酵素的試料)を減算したガムの量(対照)から算出した油の収率(%)を示すグラフである。 ガム相のTLC分析からの結果を示すグラフである。NaOHの量を漸増させた(0、0.1、0.2、0.5、1、1.5および1.9ml 4%溶液)脱ガムから獲得されたガム中のトリグリセリド含有量(%)。 GC結果を示すグラフである。NaOHのml数を増加させて脱ガムした、油中のFFA、フィトステロールおよびフィトステロールエステルの含有量(%)、試料1:対照(酵素およびNaOHを使わない);試料2〜8:KLM3’(0.1TIPU−k/g)および漸増する量のNaOH(0、0.1、0.2、0.5、1、1.5および1.9ml 4%溶液)での酵素的試料。 ガム相のTLC分析からの結果を示すグラフである。ガム中のリン脂質(PA、PE、PCおよびPI)の相対的分解。試料1:対照(酵素およびNaOHを使わない);試料2〜7:KLM3’(0.1TIPU−K/g)および漸増するml数のNaOHでの酵素的試料。 従来の水脱ガムおよび本発明による酵素的水脱ガム由来のガムの顕微鏡分析を示す図である(写真は、拡大率200および400倍、25℃)。 従来法および酵素的脱ガム由来のガム相についてのX線分析を示すグラフである。 沈降漏斗(3日目)を示す図である。左:対照、右:酵素処理油 従来および酵素的水脱ガム由来のガムについての顕微鏡分析を示す図である。 対照と比較して酵素的脱ガムにおいて獲得された油の収率の増加を示すグラフである。 1、1.5および2%水で実施した対照および(本発明による)酵素的水脱ガム試料における油の損失を示すグラフである。油損失の算出:(%ガム/ガム中の%トリグリセリド)×100% 対照(酵素を含まない)と比較した酵素的(KLM3’)ガム試料中のホスファチジン酸およびホスファチジルエタノールアミンの相対的分解を示すグラフである。 様々な量の水(1.25、1.5、1.75および2%)での脱ガムから獲得された、酵素的ガム相の粘性測定を示すグラフである。 実施例9の表1に示す、KLM3’を使い、かつ受容体の添加を伴う粗製ダイズの水脱ガム由来のガム相を示すグラフである。 HPTLCで分析したガム相におけるリン脂質の相対量を示すグラフである。 粗製ダイズ油の水脱ガム由来の油中のリンのICP分析を示すグラフである(実施例9の表1)。 実施例13、試料1〜9の30分間インキュベーション後のTLC(ランニング緩衝液1)を示す図である。 実施例13、試料1〜9の240分間インキュベーション後のTLC(ランニング緩衝液1)を示す図である。 実施例13、試料1〜9の30分間インキュベーション後のTLC(ランニング緩衝液6)を示す図である。PE=ホスファチジルエタノールアミン、PA=ホスファチジン酸、PI=ホスファチジルイノシトール、およびPC=ホスファチジルコリン 実施例13、試料1〜9の240分間インキュベーション後のTLC(ランニング緩衝液6)を示す図である。PE=ホスファチジルエタノールアミン、PA=ホスファチジン酸、PI=ホスファチジルイノシトール、およびPC=ホスファチジルコリン 実施例13、粗製油の脂質アシルトランスフェラーゼ(KLM3’)およびホスホリパーゼC(PLC)での酵素処理によるリン脂質の相対的分解を示すグラフである。反応時間240分間。 実施例13、リン脂質ジグリセリドアシルトランスフェラーゼ反応を示す図である。 実施例13、粗製ダイズ油の脱ガムにおけるジグリセリド(DAG)レベルについてのホスホリパーゼCとKLM3’との相互作用を示すグラフである。 実施例13、TLC分析を示す図である。 トリグリセリドについての酵素添加の効果を示すグラフである。 トリグリセリドについての反応時間の効果を示すグラフである。 実施例13に詳述するアシルトランスフェラーゼと30および90分間インキュベートしたジグリセリド/PC基質のTLC分析を示す図である。 実施例13に詳述するアシルトランスフェラーゼと30および90分間インキュベートしたジグリセリド/PC基質のTLC分析を示す図である。 ジグリセリド/PC 80/20の基質中でのトリグリセリド形成についてのアシルトランスフェラーゼ酵素の効果を示すグラフである。 ジグリセリド/PC 80/20の基質中でのトリグリセリド形成についてのインキュベーション時間の効果を示すグラフである。 酵素的水脱ガムについての工程系統図を示す図である。 実施例15に詳述する55℃での水脱ガムおよび0d、1dまたは7dのインキュベーションに続くガム相試料のTLC分析を示す図である。 実施例15に詳述する45℃での水脱ガムおよび0d、1dまたは7dのインキュベーションに続くガム相試料のTLC分析を示す図である。] 図74a [0027] 本発明の詳細な態様 本発明の第1の態様によれば、a)約0.1〜5%w/wの水を食用油(好ましくは、粗製食用油)および脂質アシルトランスフェラーゼと混合する段階と、b)約45℃〜約90℃で約10分間〜180分間、前記混合物を撹拌する段階と、c)油相とガム相を分離する段階とを含む、食用油(好ましくは、粗製食用油)を水脱ガムするプロセスが提供される。] [0028] 本発明の第2の態様によれば、水脱ガムプロセスの完了後に油相中の油の収率を増加させるための食用油の水脱ガムの間(好ましくは、粗製食用油の水脱ガムの間)の脂質アシルトランスフェラーゼの使用が提供される。] [0029] 本発明の第3の態様によれば、水脱ガムプロセスの完了後にガム相の粘性を減少させるための食用油の水脱ガムの間(好ましくは、粗製食用油の水脱ガムの間)の脂質アシルトランスフェラーゼの使用が提供される。] [0030] 収率の増加および/または粘性の減少は、脂質アシルトランスフェラーゼの使用なしで脱ガムされた(水脱ガムされたか、または酵素的に水脱ガムされたかのいずれか)比較可能な油の油相および/またはガム相と比較した場合である。] [0031] 第4の態様によれば、a)約0.1〜5%w/wの水を食用油(好ましくは、粗製食用油)および脂質アシルトランスフェラーゼと混合する段階と、b)約45℃〜約90℃で約10分間〜180分間、前記混合物を撹拌する段階と、c)油相とガム相を分離する段階と、d)最低約2時間と最高7日間の間(適切には、約1〜2日間まで)、活性脂質アシルトランスフェラーゼ酵素を含むガム相をインキュベートする段階と、e)ガム相から油を(例えば、遠心分離によって)分離する段階とを含む、食用油(好ましくは、粗製食用油)を水脱ガムするプロセスを本発明は提供する。] [0032] 本発明はさらに、(好ましくは、食用油の脱ガム、例えば水脱ガムもしくは酵素的脱ガムまたはそれらの組合せから獲得可能である、または獲得された)ガム相を処理し(ガム相を、最低約2時間と最高7日間の間(適切には、約1〜2日間まで)、(単独の、または1つもしくは複数のホスホリパーゼC酵素と組み合わせた)1つまたは複数の(活性)脂質アシルトランスフェラーゼ酵素とインキュベートする)、ガム相から油を(例えば、遠心分離によって)分離する方法を提供する。] [0033] 本発明はなおさらに、油の収率を増加させるための、および/または通常のガムよりリンレベルが向上している(酸性油の分離後の)固相を生成するための、(食用油を水脱ガムすること、酵素的脱ガムすること、またはそれらの組合せなどの脱ガムすることから獲得可能な、または獲得された)ガム相のインキュベーションにおける(単独の、またはホスホリパーゼCと組み合わせた)脂質アシルトランスフェラーゼの使用を提供する。] [0034] 酸性油が脂肪酸製造のために用いることができるため、(1つまたは複数の)酵素の使用は、ガムと比較して、酸性油の価値を増加させる。脂肪酸は、別なふうに食事に加えられるガムより高い価値を有する。] [0035] 向上および/または増加は、(単独の、またはホスホリパーゼCと組み合わせた)脂質アシルトランスフェラーゼによって処理されていないガム相と比較した場合である。] [0036] 適切には、ガム相中の1つまたは複数の脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、食用油の酵素的脱ガム後にガム相に移行した可能性がある残存活性酵素を有してもよい。あるいは、ガム相中の脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、加えられた脂質アシルトランスフェラーゼ(その酵素は、ガム相のインキュベーションの始めに、または間に加えてもよい)であってもよい。] [0037] 特に、第4の態様におけるプロセス(およびガム相の他の処理)の終わりにおける油は、「酸性油」である。この酸性油は、食事に加えられる通常のガム相より高い価格で販売することができる。(酸性油の分離後の)残っているガム相は、固相と呼ばれることがある。驚くべきことに、(酸性油の分離後の)残っている固相は、通常のガムより高いリンレベルを有することが見出されており、したがって、有機リンの供給源として用いることができる。] [0038] 適切には、ガム相は、約30〜約70℃、好ましくは約40〜約60℃、好ましくは約40〜約50℃、好ましくは約40〜約45℃で(単独の、または1つもしくは複数のホスホリパーゼC酵素とのいずれかの)脂質アシルトランスフェラーゼとインキュベートすることができる。] [0039] 好ましくは、脂質アシルトランスフェラーゼでの粗製油の酵素的水脱ガムから獲得されたガム相は、約30〜約70℃、好ましくは約40〜約60℃、好ましくは約40〜約50℃、好ましくは約40〜約45℃でインキュベートすることができる。] [0040] 適切には、脂質アシルトランスフェラーゼは、酵素命名法分類で分類されたものである(E.C.2.3.1.43)。] [0041] 一実施形態において、好ましくは、脂質アシルトランスフェラーゼは、ホスホリパーゼC(E.C.3.1.4.3)と組み合わせて用いられる。] [0042] 一つの好ましい実施形態において、脂質アシルトランスフェラーゼ(E.C.2.3.1.43)は、ホスホリパーゼC(E.C.3.1.4.3)と組み合わせて用いられる。] [0043] したがって、本発明の一態様によれば、a)約0.1〜5%w/wの水を食用油(好ましくは、粗製食用油)ならびに脂質アシルトランスフェラーゼおよびホスホリパーゼCの組合せと混合する段階と、b)約45℃〜約90℃で約10分間〜180分間、前記混合物を撹拌する段階と、c)油相とガム相を分離する段階とを含む、食用油(好ましくは、粗製食用油)を水脱ガムするプロセスが提供される。] [0044] 理論に縛られるつもりはないが、驚くべきことに、脂質アシルトランスフェラーゼは、トリグリセリドを生成するための受容体分子として(ホスホリパーゼCの反応によって生成した)ジグリセリドを用い得ることが見出されている。したがって、脂質アシルトランスフェラーゼがホスホリパーゼCと組み合わせて用いられる場合、これらの酵素間の相互作用が、いずれかの酵素のみを含む比較可能な油または酵素を含まない比較可能な油と比較して、両方の酵素を含む油においてトリグリセリド量の相乗的な増加を生じる。有利には、脂質アシルトランスフェラーゼがホスホリパーゼCと組み合わせて用いられる場合、これらの酵素間の相互作用は、いずれかの酵素のみを含む比較可能な油または酵素を含まない比較可能な油と比較して、両方の酵素を含む油においてジグリセリド量の相乗的な減少を生じる。脂質アシルトランスフェラーゼがホスホリパーゼCと組み合わせて用いられる場合、これらの酵素間の相互作用は、いずれかの酵素のみを含む比較可能な油または酵素を含まない比較可能な油と比較して、両方の酵素を含む油において油収率の相乗的な増加を生じる。] [0045] ジグリセリドが油の「発煙点」にマイナスの影響を及ぼし得、および/またはより飽和した脂肪供給源の結晶化性質にマイナスの影響を及ぼし得るという理由のため、(ホスホリパーゼCが単独で用いられた場合に起こり得る)油におけるジグリセリドの蓄積が、油にとって有害であり得るので、これらの酵素の組合せの使用は、ホスホリパーゼC単独の使用に対して有意な優位性を有する。] [0046] したがって、本発明において、脂質アシルトランスフェラーゼの使用(特に、ホスホリパーゼCと組み合わせた場合)のもう一つの利点は、脂質アシルトランスフェラーゼなしでの比較可能な油と比較して、および/または特に、ホスホリパーゼC単独で処理された比較可能な油と比較して、油におけるジグリセリド量を低下させ得ることである。] [0047] 本発明の別の態様において、水脱ガムプロセスの完了後に油相において、油の収率を増加させるための、および/またはトリグリセリドレベルを増加させるための、ならびに/または水脱ガムプロセスの完了後に油相においてジグリセリドレベルを低下させるための、食用油の水脱ガムの間(好ましくは、粗製食用油の水脱ガムの間)のホスホリパーゼCと組み合わせた脂質アシルトランスフェラーゼの使用が提供される。] [0048] 本発明のさらに別の態様によれば、水脱ガムプロセスの完了後にガム相の粘性を減少させるための、食用油の水脱ガムの間(好ましくは、粗製食用油の水脱ガムの間)のホスホリパーゼCと組み合わせた脂質アシルトランスフェラーゼの使用が提供される。] [0049] これらの増加および/または低下は、ホスホリパーゼCと組み合わせた脂質アシルトランスフェラーゼで処理されていない比較可能な脱ガムされた食用油と比較した場合である。] [0050] 一般的に、本明細書で論じられた増加および/または低下は、(単独かまたはホスホリパーゼCと組み合わせてのいずれかの)脂質アシルトランスフェラーゼで処理されていない比較可能なプロセスまたは比較可能な油と比較する場合である。] [0051] 別の態様によれば、本発明は、a)約0.1〜5%w/wの水を食用油(好ましくは、粗製食用油)およびホスホリパーゼCと組み合わせた脂質アシルトランスフェラーゼと混合する段階と、b)約45℃〜約90℃で約10分間〜180分間、前記混合物を撹拌する段階と、c)油相とガム相を分離する段階と、d)最低約2時間と最高7日間の間(適切には、約1〜2日間まで)、活性脂質アシルトランスフェラーゼを含むガム相をインキュベートする段階と、e)ガム相から油を(例えば、遠心分離によって)分離する段階とを含む、食用油(好ましくは、粗製食用油)を水脱ガムするプロセスを提供する。] [0052] リン脂質分解酵素(好ましくは、脂質アシルトランスフェラーゼ)がホスホリパーゼCと組み合わせて用いられる場合、ホスホリパーゼCを加えるのは、脂質アシルトランスフェラーゼ酵素の添加の前でも、添加と同時でも、添加の後でもよい。] [0053] 一実施形態において、好ましくは、ホスホリパーゼCは、脂質アシルトランスフェラーゼの前に加えられる。] [0054] 驚くべきことに、脂質アシルトランスフェラーゼおよびホスホリパーゼCの組合せを用いることは、水脱ガムプロセスの完了後、油相において油の収率を有意に増加させることが見出されている。] [0055] 理論に縛られるつもりはないが、ホスホリパーゼCは、リン脂質(例えば、ホスファチジルコリン)をジグリセリド(例えば、1,2−ジアシルグリセロール)およびリン酸部分(例えば、コリンリン酸)へ加水分解し、その後、脂質アシルトランスフェラーゼが、ホスホリパーゼCによって形成されたジグリセリド上へ脂肪酸を転移する−したがって、より多くのトリグリセリドを形成し、油収率を増加させることが想定される。この効果は、油収率への相乗的な(すなわち、好ましくは相加的より多い)増加をもたらす。] [0056] 一実施形態において、適切には、本発明による食用油を脱ガムする方法および/または使用は、約45〜90℃、好ましくは約45〜約70℃で行い得る。] [0057] 別の実施形態において、適切には、本発明による食用油プロセスを脱ガムする方法および/または使用は、約44℃より高く、より好ましくは約45℃より高く、より好ましくは約50℃より高くで行い得る。] [0058] 別の実施形態において、適切には、本発明によるプロセスおよび/または使用は、約60℃未満、好ましくは約65℃未満、好ましくは約70℃未満で行い得る。] [0059] 一実施形態において、適切には、本発明によるプロセスおよび/または使用は、摂氏約45〜70℃、好ましくは約45〜68℃、より好ましくは約50〜65℃で行い得る。] [0060] 適切には、油および/または水の温度は、酵素が混合される場合の望ましい反応温度であり得る。] [0061] 油および/または水は、酵素添加の前および/または添加中に、望ましい温度まで加熱および/または冷却してもよい。したがって、一実施形態において、本発明によるプロセスのさらなる段階は、油および/または水の冷却および/または加熱であり得ることが構想される。] [0062] 好ましくは、本発明によるプロセスについての水含有量は、約0.1〜4%w/w、より好ましくは約0.1〜3%w/w、より好ましくは約0.5〜3%w/wであり得る。] [0063] 一実施形態において、本発明によるプロセスについての水含有量は、約1〜3%w/wであり得る。] [0064] 一実施形態において、本発明によるプロセスについての水含有量は、約3%w/w未満、適切には約2%未満であり得る。] [0065] 一実施形態において、プロセスについての水含有量は、1%未満であってもよい。水の量を約1%未満まで低下させることは、結果として、水脱ガムプロセスにおいて有意な財政的な有利性を生じることができる。したがって、水の量を約1%未満まで低下させ得ることは、有意な費用削減をもたらすことができる。] [0066] 適切には、反応時間(すなわち、混合物を撹拌する時間)は、約10分間〜約180分間、好ましくは約15分間〜約180分間、より好ましくは約15分間〜60分間、さらにより好ましくは約15分間〜約35分間であり得る。] [0067] 一実施形態において、適切には、反応時間は、約30分間〜約180分間、好ましくは約30分間〜約60分間であり得る。] [0068] 一実施形態において、プロセスは、好ましくは、約pH4.5より高くで、約pH5より高くで、または約pH6より高くで行われる。] [0069] 好ましくは、プロセスは、約pH4.6〜約pH10.0、より好ましくは約pH5.0〜約pH10.0、より好ましくは約pH6.0〜約pH10.0、より好ましくは約pH5.0〜約pH7.0、より好ましくは約pH5.0〜約pH6.5、およびさらにより好ましくは約pH5.5〜pH6.0で行われる。] [0070] 一実施形態において、プロセスは、約5.3〜8.3のpHで行ってもよい。] [0071] 一実施形態において、プロセスは、約6〜6.5、好ましくは約6.3のpHで行ってもよい。] [0072] 適切には、pHは、本発明の方法および/または使用において中性(約pH5.0〜約pH7.0)であり得る。] [0073] 好ましくは、酵素処理は、油および/または水のpH調整なしに脱ガムプロセスにおいて起こる。それゆえに、典型的には、pHは、約5.5〜7.5であろう。これは、典型的に酸性pH条件、すなわち、pH4〜5においてのみ高活性であるホスホリパーゼA酵素を用いる先行技術のプロセスに対して有意な優位性を生じる。それゆえに、典型的には、(例えば、ホスホリパーゼA酵素を用いる)先行技術のプロセスにおいて、油のpHは、より酸性条件へ調整しなければならない。] [0074] 加えて、ホスホリパーゼC酵素との脂質アシルトランスフェラーゼの使用は、ホスホリパーゼC酵素との前記ホスホリパーゼAの使用と比較して、有意な利点を有し、その理由は、脂質アシルトランスフェラーゼに最適なpHが典型的には、ホスホリパーゼC酵素に最適なpHとはるかに良く一致するからである。それゆえに、一般的に、脂質アシルトランスフェラーゼがホスホリパーゼC酵素と組み合わせて用いられる場合、「pH矛盾」はない。これは、ホスホリパーゼC酵素と組み合わせたホスホリパーゼA酵素の使用と鋭く対照をなす。したがって、ホスホリパーゼC酵素と組み合わせた脂質アシルトランスフェラーゼの使用は、両方の酵素がそれらの最適なpH範囲で、または同時に作用することができるので、有意な向上を提供する。] [0075] 油相とガム相の分離は、任意の通常の分離方法によって行ってもよい。好ましくは、分離は、遠心分離によって行われる。] [0076] (単独か、または好ましくはホスホリパーゼC酵素と組み合わせてのいずれかでの)脂質アシルトランスフェラーゼの使用の一つの有意な利点は、酵素処理が、遠心分離を調節して最終の油中のリンの量を制御することを可能にすることである。理論によって縛られるつもりはないが、これは、油の粘性が、(単独か、または好ましくは、ホスホリパーゼC酵素と組み合わせてのいずれかでの)脂質アシルトランスフェラーゼで処理されていない油と比較して、有意に低下しているために、達成可能である。これは、先行技術のプロセスに対して有意な進歩である。典型的には、通常の脱ガムプロセスにおいて、遠心分離は、約50ppmの油中のリンのレベルを生じる。実際、食用油中のリンのレベルについての仕様ガイドは、それは200ppm未満であるべきということである。できる限り200ppmレベルに近いリンレベルである油を有することが、現に、最適である。(単独か、または好ましくは、ホスホリパーゼC酵素と組み合わせてのいずれかでの)脂質アシルトランスフェラーゼの使用は、結果として、約100〜200ppm、好ましくは約170〜190ppm、より好ましくは約180ppmのリンレベルまで遠心分離することができる油を生じる。これらのリンレベルを与えるような遠心分離の調節は、本発明の以前では、非常に困難であり、本発明に関しては、有意な向上を提供する。] [0077] 適切には、水は、酵素との混合の前または同時に、食用油と混合することができる。あるいは、食用油および酵素は、水との混合前に混合してもよい。] [0078] 一実施形態において、油、水、および酵素は、同時にまたは実質的に同時に続々と、攪拌機を通って、貯蔵タンクへとポンプで注入してもよい。] [0079] 適切には、酵素は、プロセスの間および/または終わりに不活性化し得る。] [0080] 酵素は、油相とガム相の分離の前または後に不活性化してもよい。] [0081] 適切には、酵素は、75〜85℃、または92℃より高くで10分間、加熱することによって熱不活性化することができる。] [0082] 一実施形態において、適切には、酵素はガム相において不活性化されない場合がある。したがって、ガム相が収集され、インキュベートされる場合、酵素はさらに、ガム相においてリン脂質を分解する可能性がある。ガム相の延長したインキュベーション後、ガム相からさらにより多くの油を回収するためにさらなる分離を(例えば、遠心分離によって)行ってもよい。これは、油収率をなおさらに増加させることができる。] [0083] 理論によって縛られるつもりはないが、酵素は、ガム相においてリン脂質を遊離脂肪酸へ分解し、それにしたがって、それまでリン脂質で乳化していたトリアシルグリセリドを遊離させると考えられる。これは、ガム相の粘性を低下させ、トリアシルグリセリドおよび遊離脂肪酸を、例えば、遠心分離によって、分離することを可能にする。] [0084] 一実施形態において、適切には、本発明のプロセスは、例えば、NaOHなどのアルカリの添加なしに、行うことができる。] [0085] 別の実施形態において、適切には、本発明のプロセスは、例えば、NaOHなどのアルカリの存在下で行うことができる。NaOHが加えられる場合、好ましくは、それは、100gの油当たり約0.2ml(4%溶液)のNaOHを超える量では加えられない。] [0086] 本発明の方法および/または使用に用いるのに適した酵素は、下記の「トランスフェラーゼアッセイ(コレステロール:リン脂質)(TrU)」を用いて決定される脂質アシルトランスフェラーゼ活性を有し得る。 トランスフェラーゼ活性の決定「トランスフェラーゼアッセイ(コレステロール:リン脂質)」(TrU) 基質:50mgのコレステロール(Sigma C8503)および450mgの大豆ホスファチジルコリン(PC)、Avanti #441601をクロロホルムに溶解し、クロロホルムを減圧下、40℃で蒸発させる。] [0087] 300mgのPC:コレステロール9:1を、10mlの50mMHEPES緩衝液pH7に40℃で分散させる。 酵素法: 250μlの基質を、40℃で、蓋を有するガラス中に加える。] [0088] 25μlの酵素溶液を加え、40℃で10分間、撹拌しながらインキュベートする。] [0089] 加えられた酵素は、アッセイにおいてコレステロールの2〜5%をエステル化するはずである。] [0090] 酵素溶液の代わりに25μlの水を用いたブランクもまた分析する。] [0091] 10分後、5mlのヘキサン:イソプロパノール3:2を加える。] [0092] コレステロールエステルの量を、キャリブレーションのためにステアリン酸コレステリル(Sigma C3549)標準を用いるHPTLCによって分析する。] [0093] トランスフェラーゼ活性を、アッセイ条件下での1分当たりのコレステロールエステル形成の量として計算する。] [0094] 1トランスフェラーゼ単位(TrU)は、上記に示されたトランスフェラーゼアッセイに従った、40℃、pH7で、1分当たりに生成されるμモルのコレステロールエステルとして定義される。] [0095] 好ましくは、本発明の方法および使用に用いられる脂質アシルトランスフェラーゼは、少なくとも25TrU/mg酵素タンパク質の1mgの酵素当たりの特定のトランスフェラーゼ単位(TrU)を有するであろう。] [0096] 適切には、本発明に用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、1gの油当たり0.05〜50TrUの量、適切には1gの油当たり0.5〜5TrUの量で投与され得る。] [0097] より好ましくは、本発明の方法および/または使用に用いるのに適した酵素は、下記のプロトコールによって定義されるような脂質アシルトランスフェラーゼ活性を有する。] [0098] %アシルトランスフェラーゼ活性の決定のためのプロトコール 本発明による脂質アシルトランスフェラーゼが加えられている食用油を、CHCl3:CH3OH2:1との酵素反応後、抽出することができ、脂質材料を含む有機相を単離し、本明細書の下記に詳述された手順に従ってGLCおよびHPLCによって分析する。GLCおよびHPLC分析から、遊離脂肪酸およびステロール/スタノールエステルの1つまたは複数の量を決定する。本発明による酵素が加えられていない対照食用油を同様に分析する。 計算: GLCおよびHPLC分析の結果から、遊離脂肪酸およびステロール/スタノールエステルの増加を計算することができる: Δ%脂肪酸=%脂肪酸(酵素)−%脂肪酸(対照) Mv脂肪酸=脂肪酸の平均分子量 A=Δ%ステロールエステル/Mvステロールエステル(ただし、Δ%ステロールエステル=%ステロール/スタノールエステル(酵素)−%ステロール/スタノールエステル(対照)、およびMvステロールエステル=ステロール/スタノールエステルの平均分子量) トランスフェラーゼ活性は、全酵素活性のパーセンテージとして計算される。] [0099] 遊離脂肪酸が食用油において増加している場合、それらは好ましくは、実質的に、すなわち、有意な程度まで、増加していない。これによって、遊離脂肪酸の増加が食用油の質に悪影響を及ぼさないことを意味する。] [0100] アシルトランスフェラーゼ活性アッセイに用いられる食用油は、好ましくは、以下の方法を用いて植物ステロール(1%)およびホスファチジルコリン(2%)油を追加した大豆油である: 植物ステロールおよびホスファチジルコリンを、撹拌しながら95℃まで加熱することによって大豆油に溶解した。その後、油を40℃まで冷却し、酵素を加えた。水を、油相の5%の全濃度に加えた。試料を、磁力で撹拌しながら40℃に維持し、4時間後および20時間後、試料を取り出し、TLCによって分析した。] [0101] アッセイについて、用いられる酵素用量は、好ましくは0.2TIPU−K/g油、より好ましくは0.08TIPU−K/g油、好ましくは0.01TIPU−K/g油である。油に存在するリン脂質のレベルおよび/またはステロールの%変換は、好ましくは0.5時間後、1時間後、2時間後、4時間後、および20時間後、より好ましくは20時間後、決定される。] [0102] 用いられる酵素が脂質アシルトランスフェラーゼ酵素である場合、好ましくは、インキュベーション時間は、少なくとも5%トランスフェラーゼ活性、好ましくは少なくとも10%トランスフェラーゼ活性、好ましくは少なくとも15%、20%、25%、26%、28%、30%、40%、50%、60%、または75%トランスフェラーゼ活性があることを確実にするのに有効である。] [0103] %トランスフェラーゼ活性(すなわち、全酵素活性のパーセンテージとしてのトランスフェラーゼ活性)は、上記で教示されたプロトコールによって決定してもよい。] [0104] 本発明のいくつかの態様において、本明細書に用いられる場合、用語「実質的に遊離脂肪酸を増加させることなく」とは、本発明による脂質アシルトランスフェラーゼで処理された食用油における遊離脂肪酸の量が、例えば、通常のホスホリパーゼ酵素、例えば、Lecitase UltraTM(Novozymes A/S、Denmark)が用いられていた場合に生成した遊離脂肪酸の量と比較した場合など、本発明による脂質アシルトランスフェラーゼ以外の酵素が用いられていたときの食用油に生成した遊離脂肪酸の量より少ないことを意味する。] [0105] 油において%トランスフェラーゼ活性を評価すること(上記)に加えて、またはそれの代わりに、本発明の方法に用いるのに最も好ましい脂質アシルトランスフェラーゼ酵素を同定するために、「本発明に用いる脂質アシルトランスフェラーゼを同定するためのプロトコール」と題した以下のアッセイを用いることができる。] [0106] 脂質アシルトランスフェラーゼを同定するためのプロトコール 本発明による脂質アシルトランスフェラーゼは、以下を結果として生じるものである: i)(以下の方法を用いる:植物ステロールおよびホスファチジルコリンを、撹拌しながら95℃まで加熱することによって大豆油に溶解した。その後、油を40℃まで冷却し、酵素を加えた。試料を、磁力で撹拌しながら40℃に維持し、0.5時間後、1時間後、2時間後、4時間後、および20時間後、試料を取り出し、TLCによって分析した)植物ステロール(1%)およびホスファチジルコリン(2%)油を追加した大豆油に存在するリン脂質の除去; ならびに/または ii)(上記のi)に教示された方法を用いる)加えられたステロールのステロールエステルへの変換(%変換)。実施例2に教示されているように、ステロールおよびステロールエステルのレベルを決定するためのGLC方法を用いてもよい。] [0107] アッセイについて、用いられる酵素用量は、0.2TIPU−K/g油、好ましくは0.08TIPU−K/g油、好ましくは0.01TIPU−K/g油であり得る。油に存在するリン脂質のレベルおよび/またはステロールの変換(%変換)は、好ましくは0.5時間後、1時間後、2時間後、4時間後、および20時間後、より好ましくは20時間後、決定される。] [0108] 脂質アシルトランスフェラーゼを同定するためのプロトコールにおいて、酵素処理後、好ましくは、5%の水を加え、油と十分に混合する。その後、油を、遠心分離を用いて油相と水相へ分離し(Buchold, H.およびLaurgi A.−G.による「Enzyme−catalyzed degumming of vegetable oils」、Fett Wissenschaft Technologie(1993年)、95巻(8号)、300〜4頁、ISSN:0931−5985参照)、その後、油相を、以下のプロトコール(「リン含有量についてのアッセイ」)を用いてリン含有量について分析することができる: リン含有量についてのアッセイ 水脱ガム後の油に存在するリン脂質のレベルは、AOAC Official Method 999.10(>Lead, Cadmium, Zinc, Copper, and Iron in FoodsAtomic Absorption Spectrophotometry after Microwave Digestion, First Action 1999 NMKL−AOAC Method)に教示された試料調製に従って油試料を最初に調製することによって決定される。その後、油中のリン脂質量を、AOAC Official Method Ca 20−99:Analysis of Phosphorus in oil by inductively Coupled Plasma Optical Emission Spectroscopyに従って脱ガム後の油試料におけるリン含有量を分析することによって測定する。] [0109] 本発明を用いた後の油相に存在するリンの量は、典型的には、通常の水脱ガム(すなわち、酵素なし)後の油相におけるリン含有量と有意には異ならない。] [0110] 本発明を用いる油相における本発明を用いる油収率は、通常の水脱ガムプロセス(すなわち、酵素なし)を用いた後の油相と比較して実質的に増加している。適切には、本発明によるプロセスおよび/または使用は、酵素の添加なしに同じ水脱ガムプロセスを受けている同じ油と比較して、約0.25〜3%、または約0.5〜2%、または約1〜2%などの約0.25〜7%、収率が向上する。] [0111] 驚くべきことに、本発明によるプロセスにおける酵素の添加は、酵素の添加なしであることを除いて比較可能な水脱ガムプロセスを用いて得られた比較可能な油相と比較して、油相のリン含有量を必ずしも有意に低下させることなく、油相における、有意により高い油収率を提供することが見出された。] [0112] 適切には、油が本発明のプロセスまたは使用に従って処理されている場合の油相中のリンの量は、酵素の添加なしであることを除いて比較可能な水脱ガムプロセスを用いて得られた油相のリン含有量より0〜80%、適切には0〜50%、適切には0〜10%、適切には0〜1%少なくあり得る。] [0113] 特に、本発明によるプロセスで得られた油相は、ホスファチドおよび/またはリン脂質を除去するためにさらに脱ガムしてもよい。例えば、油相は、酵素的脱ガムおよび/または酸脱ガムを受けることができる。] [0114] 油に存在するステロールの%変換は、少なくとも1%、好ましくは少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%である。] [0115] 一実施形態において、油中に存在するステロールの%変換は、少なくとも5%、好ましくは少なくとも20%である。] [0116] いくつかの態様において、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、GDSxモチーフおよび/またはGANDYモチーフを含み得る。] [0117] 好ましくは、脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、アシルトランスフェラーゼ活性を有する酵素、およびアミノ酸配列モチーフGDSX(Xは、以下のアミノ酸残基、L、A、V、I、F、Y、H、Q、T、N、M、またはSの1つまたは複数である)を含む酵素として特徴付けられる。] [0118] 適切には、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる、脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列、または脂質アシルトランスフェラーゼは、以下の属の1つまたは複数由来の生物体から獲得可能、好ましくは獲得され得る:Aeromonas、Streptomyces、Saccharomyces、Lactococcus、Mycobacterium、Streptococcus、Lactobacillus、Desulfitobacterium、Bacillus、Campylobacter、Vibrionaceae、Xylella、Sulfolobus、Aspergillus、Schizosaccharomyces、Listeria、Neisseria、Mesorhizobium、Ralstonia、Xanthomonas、およびCandida。好ましくは、脂質アシルトランスフェラーゼは、Aeromonas属由来の生物体から獲得可能であり、好ましくは獲得される。] [0119] 本発明のいくつかの態様において、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列は、配列番号35として示されたAeromonas salmonicida脂質アシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列におけるN−80に対応する位置にアスパラギン酸残基を含む脂質アシルトランスフェラーゼをコードする。] [0120] 本発明のいくつかの態様において、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、配列番号35として示されたAeromonas salmonicida脂質アシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列におけるN−80に対応する位置にアスパラギン酸残基を含む脂質アシルトランスフェラーゼである。] [0121] 加えて、または代替として、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列は、配列番号16として示されたアミノ酸配列、またはそれと75%以上の相同性を有するアミノ酸配列を含み得る脂質アシルトランスフェラーゼをコードする。適切には、脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列は、配列番号16として示されたアミノ酸配列を含み得る脂質アシルトランスフェラーゼをコードする。] [0122] 加えて、または代替として、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列は、配列番号68として示されたアミノ酸配列、またはそれと75%以上の相同性を有するアミノ酸配列を含み得る脂質アシルトランスフェラーゼをコードする。適切には、脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列は、配列番号68として示されたアミノ酸配列を含み得る脂質アシルトランスフェラーゼをコードする。] [0123] 一実施形態において、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、配列番号16もしくは配列番号68に示されたアミノ酸配列を有し、またはそれらと少なくとも75%同一性、好ましくは、それらと、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%同一性を有するアミノ酸配列を有する。] [0124] 一実施形態において、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、配列番号49に示されたヌクレオチド配列によってコードされ、またはそれと少なくとも75%同一性、好ましくは、それと、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる。] [0125] 一実施形態において、好ましくは、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、Bacillus licheniformisを配列番号1に示されたヌクレオチド配列、またはそれと少なくとも75%同一性(より好ましくは、それと、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%同一性)を有するヌクレオチド配列で形質転換し、前記B.licheniformisを培養し、そこに産生された(1つまたは複数の)脂質アシルトランスフェラーゼを単離することによってB.licheniformisに発現している脂質アシルトランスフェラーゼである。] [0126] 本明細書に用いられる場合、用語「食用油」は、植物油を含み得る。] [0127] 好ましくは、本発明による処理の前の食用油は、約50〜3000ppm、より好ましくは約50〜1400ppmの範囲、より好ましくは約200〜1400ppmの範囲、およびさらにより好ましくは約400〜1200ppmの範囲の非水和可能リン含有量を含む粗製食用油である。] [0128] 一態様において、粗製食用油は、本発明の方法を行う前に、350ppmより高い、より好ましくは400ppmより高い、さらにより好ましくは500ppmより高い、最も好ましくは600ppmより高いリン含有量を有する。] [0129] 好ましくは、食用油は植物油である。] [0130] 本発明による方法によって含まれる油として、大豆油、キャノーラ油、コーン油、綿実油、パーム油、ココナッツ油、米糠油、ピーナッツ油、オリーブ油、紅花油、パーム核油、菜種油、およびヒマワリ油の1つまたは複数を挙げることができるが、それらに限定されるわけではない。] [0131] 好ましくは、油は、大豆油、コーン油、ヒマワリ油、およびナタネ油(キャノーラ油と呼ばれることもある)の1つまたは複数である。] [0132] より好ましくは、油は、大豆油、ヒマワリ油、またはナタネ油の1つまたは複数である。] [0133] 最も好ましくは、油は大豆油である。] [0134] 本明細書で用いられる場合、「粗製油」(本明細書では、非脱ガム油とも呼ばれる)は、圧搾油もしくは抽出油、またはそれらの混合物であり得る。] [0135] 粗製油中のホスファチド含有量は、200〜1200ppmの範囲、より好ましくは250〜1200ppmの範囲のリン含有量に対応する0.5〜3%w/wまで様々であり得る。] [0136] ホスファチドは別として、粗製油はまた、低濃度の炭水化物、糖化合物、ならびにCa、Mg、およびFeの金属/ホスファチド酸複合体を含み得る。] [0137] 有利には、本発明の方法および使用は、低水(<5%、好ましくは2%未満、より好ましくは1%未満)環境において食用油の脱ガムを可能にする。したがって、水脱ガムは、通常の水脱ガムプロセスを用いる場合より少ない水を加えることで行うことができる。] [0138] 本発明のさらなる利点は、油相におけるステロールエステルの生成である。] [0139] 適切には、酵素は、約0.01〜10TIPU−K/g油の範囲で投与することができ、適切には、酵素は、約0.05〜1.5TIPU−K/g油の範囲、より好ましくは0.2〜1TIPU−K/g油で投与することができる。] [0140] 酵素が脂質アシルトランスフェラーゼである場合、適切には、それは、約0.01TIPU−K単位/g油〜5TIPU−K単位/g油の範囲で投与することができる。一実施形態において、脂質アシルトランスフェラーゼは、約0.1〜約1TIPU−K単位/g油の範囲で投与することができ、より好ましくは、脂質アシルトランスフェラーゼは、約0.1〜約0.5TIPU−K単位/g油の範囲で投与することができ、より好ましくは、脂質アシルトランスフェラーゼは、約0.1〜約0.3TIPU−K単位/g油の範囲で投与することができる。] [0141] 酵素がホスホリパーゼである場合、適切には、それは、約0.5〜10TIPU−K単位/g油の範囲で投与することができる。一実施形態において、ホスホリパーゼは、約0.5〜5TIPU−K単位/g油の範囲で投与することができ、好ましくは、ホスホリパーゼは、約0.5〜1.5TIPU−K単位/g油の範囲で投与することができる。適切には、ホスホリパーゼは、約1.0〜3TIPU−K単位/g油の範囲で投与することができる。] [0142] ホスホリパーゼ活性、TIPU−K: 基質:50mmのHepes、pH7.0に溶解した、1.75%のL−植物ホスファチジルコリン95%(441601、Avanti Polar Lipids)、6.3%のTriton X−100(#T9284、Sigma)、および5mM CaCl2。 アッセイ手順:試料、キャリブレーション、および対照を、10mMのHEPES、pH7.0、0.1%のTriton X−100(#T9284、Sigma)に希釈した。分析をKonelab Autoanalyzer(Thermo、Finland)を用いて行った。アッセイを、30Cで実行した。4μLの試料を加える前に、34μLの基質を180秒間、サーモスタットで調温した。酵素法は600秒間続いた。酵素法中に遊離した遊離脂肪酸の量を、NEFACキット(999−75406、WAKO、Germany)を用いて測定した。56μLのNEFA Aを加え、その混合物を300秒間インキュベートした。後で、113μLのNEFA Bを加え、その混合物を300秒間インキュベートした。その後、OD520nmを測定した。酵素活性(μモルFFA/分・mL)を、標準酵素調製に基づいて計算した。] [0143] 酵素活性TIPU−Kを、アッセイ条件下で1分当たり生成されるマイクロモル遊離脂肪酸(FFA)として計算した。] [0144] 本発明において、プロセスは、好ましくは、腐食性中和プロセスではない(すなわち、酸性水脱ガムプロセスではなく、および/または酸腐食性脱ガムプロセスではない)。換言すれば、プロセスは、好ましくは、(リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、塩酸、および/または酢酸などの)酸または(KOHおよびNaOHなどの)腐食剤の添加を含まず、または相当量の酸もしくは腐食剤の添加を含まない。換言すれば、酸および/または腐食剤が本発明のプロセスで加えられる場合、それらは0.004%未満で加えられる。] [0145] 参照を容易にするために、これらおよび本発明のさらなる態様は、今、適当なセクション見出しの下、論じられている。しかしながら、各セクション下の教示は、必ずしもそれぞれの特定のセクションに限定されるわけではない。] [0146] ホスホリパーゼC 上記で述べたように、リン脂質分解酵素(好ましくは脂質アシルトランスフェラーゼ)は、ホスホリパーゼC(E.C.3.1.4.3)と組み合わせて用いることができる。] [0147] ホスホリパーゼCは任意の入手可能なホスホリパーゼC酵素であってもよく、以下のホスホリパーゼC酵素の1つまたは複数から選択してもよい:Purifine(登録商標)(Verenium、USから入手可能);(Sigmaから入手可能なホスホリパーゼC、Ref P7633などの)Clostridium perfringens由来のホスホリパーゼC;(Sigmaから入手可能なホスホリパーゼC、Ref P6621などの)Bacillus cereus由来のホスホリパーゼC;(参照により本明細書に組み入れられている)WO2008/036863に教示されたホスホリパーゼC酵素。] [0148] 利点 本発明の一つの利点は、油収率の増加が水脱ガムプロセスの終わりに得られることである。油収率の増加は、本発明による酵素の添加がないことを除いて比較可能な水脱ガムプロセスと比較される。] [0149] 理論によって縛られるつもりはないが、収率の増加は、リン脂質のガム相への除去によって引き起こされる乳化効果の減少による可能性がある。リン脂質は良い乳化剤であり、トリアシルグリセリドと乳化している可能性があり、それゆえに、リン脂質がガム相へ除去された場合、トリアシルグリセリド(油)の形をとる一部の油もまた除去される。リン脂質の分解によるガム相の粘性の低下が、ガム相への油の損失を防ぐのを助ける(ガム相と油の分離がはるかに容易であるため)。] [0150] (理論によって縛られるつもりはないが、)加えて、または代替として、脂質アシルトランスフェラーゼが本発明に従って用いられる場合、脂肪酸部分をリン脂質からステロールへ転移することによってステロールエステルが形成される。脂質アシルトランスフェラーゼ酵素反応によるステロールにエステル化されるこの脂肪酸部分は、油相に見出され、ガム相には見出されない。通常の水脱ガムプロセス(脂質アシルトランスフェラーゼの添加なし)において、これらの脂肪酸部分はガム相へと失われる。] [0151] 本発明のさらなる利点は、脂質アシルトランスフェラーゼが用いられた場合、水脱ガムプロセスにおけるpH(約pH5.0または5.5〜約pH6.5または7)を調整する必要がないことである。このpHは、脂質アシルトランスフェラーゼの高反応性をもたらす。] [0152] 脂質アシルトランスフェラーゼを用いた場合の本発明のもう一つの利点は、リン脂質由来の脂肪酸が、ステロール上に転移され、ステロールエステルを形成することである。これは、それ自体で、油相における収率の0.1〜0.15%の増加に寄与し得る。] [0153] 本発明のさらなる利点(特に、脂質アシルトランスフェラーゼを用いた場合)は、ガム相が、本発明による酵素の添加がないことを除いて比較可能な水脱ガムプロセスからのガム相と比較して、粘性が低いことである。ガム相におけるより低い粘性は、結果として、油相から分離すること、すなわち、遠心分離によって分離することがより容易であることをもたらす。] [0154] 加えて、ガム相は、水含有量がより少ない可能性があり、それゆえに、完全に乾燥させることがより容易であり得る。] [0155] 本発明のなおさらなる利点は、ガム相においてトリグリセリド濃度の低下があることである。] [0156] 本発明のプロセスは、結果として、処理工場における汚れの減少をもたらすことができる。これは、工場の清掃がより容易であり得ることを意味する。] [0157] 理論によって縛られるつもりはないが、驚くべきことに、脂質アシルトランスフェラーゼは、トリグリセリドを生成するための受容体分子として、(ホスホリパーゼCの反応によって生成した)ジグリセリドを用い得ることを見出している。したがって、脂質アシルトランスフェラーゼがホスホリパーゼCと組み合わせて用いられる場合、これらの酵素間の相互作用が、いずれかの酵素のみを含む比較可能な油または酵素を含まない比較可能な油と比較して、両方の酵素を含む油においてトリグリセリドの量の相乗的な増加を生じる。脂質アシルトランスフェラーゼがホスホリパーゼCと組み合わせて用いられる場合、これらの酵素間の相互作用が、いずれかの酵素のみを含む比較可能な油または酵素を含まない比較可能な油と比較して、両方の酵素を含む油における油収率の相乗的な増加を生じる。] [0158] ジグリセリドが油の「発煙点」にマイナスの影響を及ぼし得、および/またはより飽和した脂肪供給源の結晶化性質にマイナスの影響を及ぼし得るという理由のため、(ホスホリパーゼCが単独で用いられた場合、起こり得る)油におけるジグリセリドの蓄積が油にとって有害であり得るので、これらの酵素の組合せの使用は、ホスホリパーゼC単独の使用に対して有意な優位性を有する。] [0159] したがって、本発明において、脂質アシルトランスフェラーゼの使用(特に、ホスホリパーゼCと組み合わせた場合)のもう一つの利点は、脂質アシルトランスフェラーゼなしでの比較可能な油と比較して、および/または特に、ホスホリパーゼC単独で処理された比較可能な油と比較して、油におけるジグリセリド量を低下させ得ることである。] [0160] 本発明による(1つまたは複数の)酵素の使用は、プロセスにおいて必要とされる水の量を約1%未満まで低下させることができる。これは、水脱ガムプロセスにおいて有意な財政的利点を生むことができる。それゆえに、水の量を約1%未満まで低下させ得ることは、有意な費用低減をもたらすことができる。] [0161] 好ましくは、酵素処理は、油および/または水のpH調整なしに脱ガムプロセスで起こる。これは、典型的には酸性pH条件においてのみ高活性であるホスホリパーゼA酵素を用いる先行技術のプロセスに対する有意な優位性を生じる。典型的には、(例えば、ホスホリパーゼA酵素を用いる)先行技術のプロセスにおいて、油のpHは、脱ガムプロセスの前および/または間に調整されなければならない。これは本発明に関して必要ではない。] [0162] 加えて、ホスホリパーゼC酵素と組み合わせた脂質アシルトランスフェラーゼの使用は、ホスホリパーゼC酵素との前記ホスホリパーゼAの使用と比較して、有意な利点を有し、その理由は、脂質アシルトランスフェラーゼに最適なpHが典型的には、ホスホリパーゼC酵素に最適なpHとはるかに良く一致するからである。それゆえに、一般的に、脂質アシルトランスフェラーゼがホスホリパーゼC酵素と組み合わせて用いられる場合、「pH矛盾」はない。これは、ホスホリパーゼC酵素と組み合わせたホスホリパーゼA酵素の使用と鋭く対照をなす。したがって、ホスホリパーゼC酵素と組み合わせた脂質アシルトランスフェラーゼの使用は、両方の酵素がそれらの最適なpH範囲で、または同時に作用することができるので、有意な向上を提供する。] [0163] 特に、ガム相の(単独かまたはホスホリパーゼCと組み合わせてのいずれかの)脂質アシルトランスフェラーゼでの処理を含む方法において、このプロセスの終わりに生成する「酸性油」は、食事に加えられる通常のガム相より高い価格で販売することができる。加えて、(酸性油の分離後の)残っているガム相は、驚くべきことに、通常のガムより高いリンレベルを有することが見出されており、したがって、有機リンの供給源として用いることができる。] [0164] 宿主細胞 宿主生物体は、原核生物または真核生物であり得る。] [0165] 本発明の一実施形態において、本発明による脂質アシルトランスフェラーゼは、宿主細胞、例えば、Bacillus種、例えば、Bacillus licheniformis宿主細胞などの細菌細胞に発現する。] [0166] 代替の宿主細胞は、例えば、真菌、酵母、または植物であってもよい。] [0167] Bacillus licheniformis宿主細胞の使用によって、Bacillus subtilisなどの他の生物体と比較した場合、脂質アシルトランスフェラーゼの発現の増加がもたらされることが見出されている。] [0168] Aeromonas salmonicida由来の脂質アシルトランスフェラーゼは、Bacillus subtilis、Hansenula polymorpha、Schizosaccharomyces pombe、およびAspergillus tubigensis、それぞれにおける発現に最適であるように設計されたいくつかの通常の発現ベクターへ挿入されている。しかしながら、Hansenula polymorpha、Schizosaccharomyces pombe、およびAspergillus tubigensisにおいては、非常に低いレベルのみが検出された。発現レベルは1μg/mlより低く、商業的製造を開始するのに十分なタンパク質を生じる細胞を選択することは不可能であった(結果示さず)。対照的に、Bacillus licheniformisは、経済的に実行可能な製造として魅力があるタンパク質レベルを産生することができた。] [0169] 特に、B.licheniformisにおける発現は、aprEプロモーターの調節下のB.subtilisにおける発現より約100倍高く、またはA4プロモーターの調節下で、かつセルロースに融合したS.lividansにおける発現より約100倍高い(本明細書では結果を示さず)ことが見出されている。] [0170] 宿主細胞は、B.subtilis以外の任意のBacillus細胞であってもよい。好ましくは、前記Bacillus宿主細胞は、以下の種の1つ由来である:Bacillus licheniformis、B.alkalophilus、B.amyloliquefaciens、B.circulans、B.clausii、B.coagulans、B.firmus、B.lautus、B.lentus、B.megaterium、B.pumilus、またはB.stearothermophilus。] [0171] 本発明に関しての用語「宿主細胞」は、本明細書に定義されているような脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列かまたは本明細書に定義されているような発現ベクターのいずれかを含む任意の細胞を含み、それは、本明細書に定義されているような特定の性質を有する脂質アシルトランスフェラーゼの組換え産生に用いられる。] [0172] 適切には、宿主細胞は、プロテアーゼ欠損もしくはプロテアーゼマイナス菌株、および/またはα−アミラーゼ欠損もしくはα−アミラーゼマイナス菌株であってもよい。] [0173] 本明細書に用いられる場合、用語「異種性」とは、別々の遺伝源または種由来の配列を意味する。異種性配列は、非宿主配列、改変配列、異なる宿主細胞菌株由来の配列、または宿主細胞の異なる染色体位置由来の同種配列である。] [0174] 「同種」配列は、同じ遺伝源または種に見出される配列である、すなわち、それは宿主細胞の関連種に自然発生している。] [0175] 本明細書に用いられる場合、用語「組換え脂質アシルトランスフェラーゼ」とは、脂質アシルトランスフェラーゼが、遺伝子組換えによって産生されていることを意味する。例えば、脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列は、クローニングベクターへ挿入されており、その結果として、異種性脂質アシルトランスフェラーゼの存在によって特徴付けられたB.licheniformis細胞を生じる。] [0176] 制御配列 適用によっては、本発明の方法および/または使用に用いる脂質アシルトランスフェラーゼ配列は、選択された宿主細胞(B.licheniformis細胞など)によるなどのヌクレオチド配列の発現を提供する能力がある制御配列に、それをコードするヌクレオチド配列を作動可能に連結することによって、得ることができる。] [0177] 例として、そのような制御配列に作動可能に連結された本発明のヌクレオチド配列を含むベクター、すなわち、そのベクターは発現ベクターであり、それを用いることができる。] [0178] 用語「作動可能に連結された」とは、記載された構成要素が、それらの意図された様式で機能することを可能にする関係にある近位を指す。コード配列に「作動可能に連結された」制御配列は、コード配列の発現が、調節配列と適合性の条件下で達成されるような方法でライゲーションされる。] [0179] 用語「制御配列」は、プロモーターおよびエンハンサーおよび他の発現制御シグナルを含む。] [0180] 用語「プロモーター」は、当技術分野の通常の意味で用いられ、例えば、RNAポリメラーゼ結合部位である。] [0181] 本明細書で定義されているような特定の性質を有する酵素をコードするヌクレオチド配列の発現の増強はまた、制御領域の選択、例えば、天然ではその酵素をコードするヌクレオチド配列についての制御領域ではないプロモーター、分泌リーダー、および終結領域によって達成してもよい。] [0182] 適切には、本発明のヌクレオチド配列を、少なくともプロモーターに作動可能に連結することができる。] [0183] 適切には、脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列は、終結配列をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結することができる。本発明のベクター、宿主細胞、方法、および/または使用のいずれか一つに用いる適切な終結配列の例として、α−アミラーゼ終結配列(例えば、] [0184] −配列番号64)、アルカリプロテアーゼ終結配列(例えば、] [0185] −配列番号65)、グルタミン酸特異的終結配列(例えば、] [0186] −配列番号66)、レバナーゼ終結配列(例えば、] [0187] −配列番号67)、およびスブチリシンE終結配列(例えば、] [0188] )が挙げられる。適切には、脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列は、B.licheniformisα−アミラーゼターミネーターなどのα−アミラーゼターミネーターに作動可能に連結してもよい。] [0189] プロモーター 本発明に従って用いられるプロモーター配列は、脂質アシルトランスフェラーゼをコードする配列と異種性でも同種性でもよい。] [0190] プロモーター配列は、最適な宿主細胞において脂質アシルトランスフェラーゼの発現を指示する能力がある任意のプロモーター配列であってもよい。] [0191] 適切には、プロモーター配列は、Bacillus種、例えば、B.licheniformisと同種であり得る。好ましくは、プロモーター配列は最適な宿主細胞と同種である。] [0192] 適切には、プロモーター配列は、宿主細胞と同種であり得る。「宿主細胞と同種の」とは、その宿主生物体内から生じること;すなわち、その宿主生物体で自然に見出されるプロモーター配列を意味する。] [0193] 適切には、プロモーター配列は、α−アミラーゼプロモーター、プロテアーゼプロモーター、スブチリシンプロモーター、グルタミン酸特異的プロテアーゼプロモーター、およびレバンスクラーゼプロモーターをコードするヌクレオチド配列からなる群から選択することができる。] [0194] 適切には、プロモーター配列は、LAT(例えば、AmyLとしても公地である、B.licheniformis由来のα−アミラーゼプロモーター)、AprL(例えば、スブチリシンCarlsbergプロモーター)、EndoGluC(例えば、B.licheniformis由来のグルタミン酸特異的プロモーター)、AmyQ(例えばB.amyloliquefaciensα−アミラーゼプロモーター由来のαアミラーゼプロモーター)、およびSacB(例えば、B.subtilisレバンスクラーゼプロモーター)をコードするヌクレオチド配列であり得る。] [0195] 本発明の方法において核酸配列の転写を指示するのに適したプロモーターの他の例として、Bacillus lentusアルカリプロテアーゼ遺伝子のプロモーター(aprH)、Bacillus subtilisα−アミラーゼ遺伝子のプロモーター(amyE)、Bacillus stearothermophilusマルトース生成型アミラーゼ遺伝子のプロモーター(amyM)、Bacillus licheniformisペニシリナーゼ遺伝子のプロモーター(penP)、Bacillus subtilis xylAおよびxylB遺伝子のプロモーター、ならびに/またはBacillus thuringiensis亜種tenebrionis CryIIIA遺伝子のプロモーターが挙げられる。] [0196] 好ましい実施形態において、プロモーター配列は、(Bacillus licheniformisα−アミラーゼプロモーターなどの)α−アミラーゼプロモーターである。好ましくは、プロモーター配列は、B.licheniformisα−アミラーゼプロモーターの−35〜−10配列を含む−図53および55参照。] 図53 [0197] 「−35〜−10配列」は、転写開始部位に対する位置を記載する。「−35」および「−10」は、ボックス、すなわち、いくつかのヌクレオチドであり、それぞれが6個のヌクレオチドを含み、これらのボックスは17個のヌクレオチドによって隔てられている。これらの17個のヌクレオチドは、「スペーサー」と呼ばれることが多い。これは、図55に示されており、図中、−35ボックスおよび−10ボックスは下線が引かれている。誤解を避けるために言えば、「−35〜−10配列」が本明細書に用いられる場合、それは、−35ボックスの始めから−10ボックスの終わりまで、すなわち、−35ボックス、17ヌクレオチド長のスペーサー、および−10ボックスを含む配列を指す。] 図55 [0198] シグナルペプチド 脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列の発現による宿主細胞によって産生される脂質アシルトランスフェラーゼは、用いられる配列および/もしくはベクターに依存して、分泌されてもよいし、細胞内に含まれてもよい。] [0199] シグナル配列は、特定の細胞膜を通ってのコード配列の分泌を指示するために用いることができる。シグナル配列は、脂質アシルトランスフェラーゼコード配列にとって天然でも外来でもよい。例えば、シグナルペプチドコード配列は、Bacillus種由来、好ましくはBacillus licheniformis由来のアミラーゼ遺伝子またはプロテアーゼ遺伝子から得ることができる。] [0200] 適切なシグナルペプチドコード配列は、以下の遺伝子の1つまたは複数から得ることができる:マルトース生成型α−アミラーゼ遺伝子、スブチリシン遺伝子、β−ラクタマーゼ遺伝子、中性プロテアーゼ遺伝子、prsA遺伝子、および/またはアシルトランスフェラーゼ遺伝子。] [0201] 好ましくは、シグナルペプチドは、B.licheniformisα−アミラーゼ、Aeromonasアシルトランスフェラーゼ(例えば、mkkwfvcllglialtvqa−配列番号21)、B.subtilisスブチリシン(例えば、mrskklwisllfaltliftmafsnmsaqa−配列番号22)、またはB.licheniformisスブチリシン(例えば、mmrkksfwfgmltafmlvftmefsdsasa−配列番号23)のシグナルペプチドである。適切には、シグナルペプチドは、B.licheniformisα−アミラーゼのシグナルペプチドであり得る。] [0202] しかしながら、最適なBacillus宿主細胞(好ましくは、B.licheniformis宿主細胞)の分泌経路へ発現した脂質アシルトランスフェラーゼを向ける能力がある任意のシグナルペプチドコード配列を用いてもよい。] [0203] 本発明のいくつかの実施形態において、シグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列は、最適な脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結してもよい。] [0204] 最適な脂質アシルトランスフェラーゼを、融合タンパク質として、本明細書に定義されているような宿主細胞で発現させてもよい。] [0205] 発現ベクター 用語「発現ベクター」は、インビボまたはインビトロの発現の能力がある構築物を意味する。] [0206] 好ましくは、発現ベクターは、B.licheniformis宿主などの生物体のゲノムに組み入れられる。用語「組み入れられる」とは、好ましくは、ゲノムへの安定的な組み入れを網羅する。] [0207] 本明細書に定義されているような脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列はベクターに存在してもよく、そのベクター内では、制御配列が、(B.licheniformisなどの)適切な宿主生物体によってヌクレオチド配列の発現を提供することができるように、ヌクレオチド配列が制御配列に作動可能に連結されている、すなわち、そのベクターは発現ベクターである。] [0208] 本発明のベクターは、本明細書に定義されているような脂質アシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドの発現を提供するように上記のような適切な宿主細胞へ形質転換することができる。] [0209] ベクター、例えば、プラスミド、コスミド、ウイルスベクターまたはファージベクター、ゲノム挿入断片の選択は、それが導入されることになっている宿主細胞に依存することが多いであろう。本発明は、等価な機能の働きをし、かつ当技術分野において公知である、または公知になる発現ベクターの他の形を網羅することができる。] [0210] いったん最適な宿主細胞へ形質転換されたならば、ベクターは、宿主細胞のゲノムとは無関係に複製および機能してもよいし、ゲノム自体へと統合されてもよい。] [0211] ベクターは、抗生物質抵抗性、例えば、アンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール、またはテトラサイクリン抵抗性を与える遺伝子などの1つまたは複数の選択マーカー遺伝子を含んでもよい。あるいは、選択は、(WO91/17243に記載されているように)同時形質転換によって達成してもよい。] [0212] ベクターは、例えば、RNAの産生のためにインビトロで用いてもよいし、宿主細胞をトランスフェクションまたは形質転換するために用いてもよい。] [0213] ベクターは、そのベクターが問題の宿主細胞において複製することを可能にするヌクレオチド配列をさらに含んでもよい。そのような配列の例は、プラスミドpUC19、pACYC177、pUB110、pE194、pAMB1、およびpIJ702の複製起点である。] [0214] 脂質アシルトランスフェラーゼ 本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列は、天然の脂質アシルトランスフェラーゼをコードしてもよいし、変種脂質アシルトランスフェラーゼをコードしてもよい。] [0215] 本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、天然の脂質アシルトランスフェラーゼでも、変種の脂質アシルトランスフェラーゼでもよい。] [0216] 例えば、本発明に用いる脂質アシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列は、WO2004/064537、WO2004/064987、WO2005/066347、またはWO2006/008508に記載されているようなものであってもよい。これらの文書は参照により本明細書に組み入れられている。] [0217] 本明細書に用いられる場合、用語「脂質アシルトランスフェラーゼ」は、好ましくは、アシルトランスフェラーゼ活性を有する酵素(一般的には、E.C.2.3.1.x.、例えば、2.3.1.43として分類される)を意味し、その活性によって酵素は、アシル基を脂質から以下のうちの1つまたは複数などの1つまたは複数の受容体基質へ転移させる能力がある:ステロール、スタノール、炭水化物、タンパク質、タンパク質サブユニット、アスコルビン酸および/またはグリセロールなどの糖アルコール−好ましくは、グリセロールおよび/またはコレステロールなどのステロール。] [0218] 好ましくは、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、アシル基を(本明細書に定義されているような)リン脂質から、アスコルビン酸および/またはグリセロールおよび/またはステロール、好ましくはグリセロールまたはステロール、最も好ましくはステロール(例えば、コレステロール)などの糖アルコールへ転移させる能力がある脂質アシルトランスフェラーゼである。] [0219] いくつかの態様について、本発明による「アシル受容体」は、例えば、多価アルコールなどのヒドロキシ基(−OH)を含む任意の化合物であってもよく、それらには、グリセロール;ステロール;スタノール;炭水化物;フルーツ酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、およびアスコルビン酸を含むヒドロキシ酸;タンパク質、または例えば、アミノ酸、タンパク質加水分解産物、およびペプチド(部分的に加水分解されたタンパク質)などのそれらのサブユニット;ならびにそれらの混合物および誘導体が挙げられる。好ましくは、本発明による「アシル受容体」は水ではない。] [0220] アシル受容体は、好ましくは、モノグリセリドではない。] [0221] 一実施形態において、アシル受容体はジグリセリドであり得る。] [0222] 一態様において、本発明の方法および/または使用に用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、好ましくは、アシル基を脂質からステロールおよび/またはスタノールへ転移させることができる。] [0223] 別の態様において、本発明の方法および/または使用に用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、アシル基を脂質からステロールおよび/またはスタノールへ転移させることができるだけでなく、加えて、アシル基を脂質から以下のうちの1つまたは複数へ転移させることができる:炭水化物、タンパク質、タンパク質サブユニット、グリセロール、脂肪アルコール。] [0224] 適切には、アシル受容体は、油において自然に見出すことができる。あるいは、アシル受容体を油に付加してもよい(例えば、アシル受容体は油にとって外来性であってもよい)。例えば、いくつかの実施形態において、ステロールおよび/またはスタノールは、脱ガムプロセスの前または間に油に付加してもよい。これは、アシル受容体の量がアシルトランスフェラーゼ反応への律速である場合には、特に重要である。アシル受容体の添加は、アシル受容体が添加されない場合の油と比較して、遊離脂肪酸の低下および/またはアシル受容体エステルのより高い形成をもたらすことができる。] [0225] 好ましくは、脂質アシルが作用する脂質基質は、以下の脂質の1つまたは複数である:レシチン、例えば、ホスファチジルコリンおよび/またはホスファチジルエタノールアミンなどのリン脂質。] [0226] この脂質基質は、本明細書では、「脂質アシル供与体」と呼ぶ場合がある。本明細書で用いられる場合、用語「レシチン」は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、およびホスファチジルグリセロールを含む。] [0227] 本発明に用いる好ましい脂質アシルトランスフェラーゼは、油環境におけるリン脂質への高いリン脂質加水分解性活性または高いリン脂質トランスフェラーゼ活性などの高活性を有するものとして同定され、最も好ましくは、本発明に用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、リン脂質からステロールへの高いトランスフェラーゼ活性を有する。] [0228] 上記で詳述しているように、本発明の方法に用いるのに適した他のアシルトランスフェラーゼは、pFam00657コンセンサス配列(配列番号1)のアラインメントおよび/またはGDSxアシルトランスフェラーゼ、例えば、配列番号28に対するアラインメントによってGDSx、GANDY、およびHPTブロックの存在を同定することにより同定することができる。脱ガムについてのそれらの適合性を評価する、すなわち、全酵素活性の少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%、より好ましくは50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、およびより好ましくは少なくとも98%のトランスフェラーゼ活性を有する酵素を同定するために、そのようなアシルトランスフェラーゼは、本明細書の上記に詳述された「%アシルトランスフェラーゼ活性の決定のためのプロトコール」アッセイを用いて試験される。] [0229] いくつかの態様について、好ましくは、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、トリグリセリドおよび/または1−モノグリセリドおよび/または2−モノグリセリドに作用する能力がない、または実質的に能力がない脂質アシルトランスフェラーゼである。] [0230] いくつかの態様について、好ましくは、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、トリアシルグリセロールリパーゼ活性(E.C.3.1.1.3)を示さない、または有意なトリアシルグリセロールリパーゼ活性(E.C.3.1.1.3)を示さない脂質アシルトランスフェラーゼである。] [0231] トリグリセリドを加水分解する能力(E.C.3.1.1.3活性)は、オリーブ油およびpH6.5の代わりに、ヒマワリ油およびpH5.5へと改変されたFood Chemical Codex(第3版、1981年、492〜493頁)に従って決定されるリパーゼ活性によって決定することができる。リパーゼ活性は、LUS(リパーゼ単位ヒマワリ)として測定され、1LUSは、上記のアッセイ条件下で、ヒマワリ油から1分間当たり1μモルの脂肪酸を遊離することができる酵素量として定義される。あるいは、WO9845453に定義されているようなLUTアッセイを用いてもよい。この参考文献は、参照により本明細書に組み入れられている。] [0232] 本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、トリグリセリドに作用する能力が実質的にない脂質アシルトランスフェラーゼであり得、1000未満のLUS/mg、例えば、300LUS/mg未満などの500LUS/mg未満、好ましくは200LUS/mg未満、より好ましくは100LUS/mg未満、より好ましくは50LUS/mg未満、より好ましくは20LUS/mg未満、より好ましくは、5LUS/mg未満、2LUS/mg未満などの10LUS/mg未満、より好ましくは1LUS/mg未満を有し得る。あるいは、LUT/mg活性は、300LUS/mg未満などの500LUS/mg未満、好ましくは200LUS/mg未満、より好ましくは100LUS/mg未満、より好ましくは50LUS/mg未満、より好ましくは20LUS/mg未満、より好ましくは、5LUS/mg未満、2LUS/mg未満などの10LUS/mg未満、より好ましくは1LUS/mg未満である。] [0233] 本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、モノグリセリドに作用する能力が実質的にない脂質アシルトランスフェラーゼであり得る。これは、LUSアッセイにおいてヒマワリ油の代わりに、モノオレエート(M7765 1−オレオイル−rac−グリセロール99%)を用いることによって決定することができる。1MGHUは、アッセイ条件下でモノグリセリドから1分間当たり1μモルの脂肪酸を遊離することができる酵素量として定義される。] [0234] 本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、トリグリセリドに作用する能力が好ましくは実質的にない脂質アシルトランスフェラーゼであり、5000未満のMGHU/mg、例えば、1000MGHU/mg未満、例えば、300MGHU/mg未満などの500MGHU/mg未満、好ましくは200MGHU/mg未満、より好ましくは100MGHU/mg未満、より好ましくは50MGHU/mg未満、より好ましくは20MGHU/mg未満、より好ましくは、5MGHU/mg未満、2MGHU/mg未満などの10MGHU/mg未満、より好ましくは1MGHU/mg未満を有し得る。] [0235] 適切には、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、その脂質アシルトランスフェラーゼ活性に加えて、以下のホスホリパーゼ活性の1つまたは複数も示し得る脂質アシルトランスフェラーゼである:ホスホリパーゼA2活性(E.C.3.1.1.4)および/またはホスホリパーゼA1活性(E.C.3.1.1.32)。脂質アシルトランスフェラーゼはまた、ホスホリパーゼB活性(E.C.3.1.1.5)を有してもよい。] [0236] 適切には、いくつかの態様について、脂質アシルトランスフェラーゼは、アシル基をリン脂質からスタノールおよび/またはステロール、好ましくはコレステロールへ転移させる能力があり得る。] [0237] いくつかの態様について、好ましくは、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、アシル基をリン脂質からステロールおよび/またはスタノールへ転移させ、少なくともステロールエステルおよび/またはスタノールエステルを形成する能力がある脂質アシルトランスフェラーゼをコードする。] [0238] したがって、一実施形態において、本発明による「アシル受容体」は、植物ステロール/スタノールであり得る。] [0239] 好ましくは、脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、以下の判定基準を用いて特徴付けることができる: 酵素は、脂質アシル供与体の本来のエステル結合のアシル部分がアシル受容体に転移されて、新しいエステルを形成するエステル転移活性として定義され得るアシルトランスフェラーゼ活性を有する;および 酵素は、アミノ酸配列モチーフGDSXを含み、ただし、Xが以下のアミノ酸残基、L、A、V、I、F、Y、H、Q、T、N、M、またはSの1つまたは複数である。] [0240] 好ましくは、GDSXモチーフのXは、LまたはYである。より好ましくは、GDSXモチーフのXは、Lである。したがって、好ましくは、本発明による酵素は、アミノ酸配列モチーフGDSLを含む。] [0241] GDSXモチーフは、4個の保存されたアミノ酸で構成される。好ましくは、モチーフ内のセリンは、脂質アシルトランスフェラーゼ酵素の触媒性セリンである。適切には、GDSXモチーフのセリンは、BrumlikおよびBuckley(Journal of Bacteriology、1996年4月、178巻7号、2060〜2064頁)に教示されたAeromonas hydrophila脂質アシルトランスフェラーゼ酵素におけるSer−16に対応する位置にあり得る。] [0242] タンパク質が本発明によるGDSXモチーフを有するかどうかを決定するために、配列は、好ましくは、参照により本明細書に組み入れられている、WO2004/064537またはWO2004/064987に教示された手順に従ってpfamデータベースの隠れマルコフモデルプロファイル(HMMプロファイル)と比較される。] [0243] 好ましくは、脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、Pfam00657コンセンサス配列を用いて整列させることができる(十分な説明として、WO2004/064537またはWO2004/064987参照)。] [0244] 好ましくは、pfam00657ドメインファミリーの隠れマルコフモデルプロファイル(HMMプロファイル)との正の一致は、本発明によるGDSLまたはGDSXドメインの存在を示す。] [0245] 好ましくは、Pfam00657コンセンサス配列と整列させた場合、本発明の方法または使用に用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、以下、GDSxブロック、GANDYブロック、HPTブロックの少なくとも1個、好ましくは1個より多く、好ましくは2個より多くを有することができる。適切には、脂質アシルトランスフェラーゼは、GDSxブロックおよびGANDYブロックを有することができる。あるいは、酵素は、GDSxブロックおよびHPTブロックを有してもよい。好ましくは、酵素は、少なくともGDSxブロックを含む。さらなる詳細について、WO2004/064537またはWO2004/064987参照。] [0246] 好ましくは、GANDYモチーフの残基は、GANDY、GGNDA、GGNDLから選択され、最も好ましくはGANDYである。] [0247] 好ましくは、Pfam00657コンセンサス配列と整列した場合、本発明の方法または使用に用いる酵素は、参照A.hydrophiliaポリペプチド配列、すなわち、配列番号1と比較した場合の以下のアミノ酸残基:28hid、29hid、30hid、31hid、32gly、33Asp、34Ser、35hid、130hid、131Gly、132Hid、133Asn、134Asp、135hid、309Hisの少なくとも1個、好ましくは1個より多く、好ましくは2個より多く、好ましくは3個より多く、好ましくは4個より多く、好ましくは5個より多く、好ましくは6個より多く、好ましくは7個より多く、好ましくは8個より多く、好ましくは9個より多く、好ましくは10個より多く、好ましくは11個より多く、好ましくは12個より多く、好ましくは13個より多く、好ましくは14個より多くを有する。] [0248] pfam00657GDSXドメインは、このドメインを有するタンパク質を他の酵素から区別する独特な識別子である。] [0249] pfam00657コンセンサス配列は、配列番号2として図3に提示されている。これは、pfamファミリー00657、データベースバージョン6の同定に由来しており、それはまた、本明細書では、pfam00657.6と呼ばれることもある。] 図3 [0250] コンセンサス配列は、pfamデータベースのさらなるリリースを用いることによってアップデートすることができる(例えば、WO2004/064537またはWO2004/064987参照)。] [0251] 一実施形態において、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、以下の判断基準を用いて特徴付けることができる脂質アシルトランスフェラーゼである: (i)酵素は、脂質アシル供与体の本来のエステル結合のアシル部分がアシル受容体に転移されて、新しいエステルを形成するエステル転移活性として定義され得るアシルトランスフェラーゼ活性を有する; (ii)酵素は、アミノ酸配列モチーフGDSXを含み、ただし、Xが以下のアミノ酸残基L、A、V、I、F、Y、H、Q、T、N、M、またはSの1つまたは複数である; (iii)酵素は、His−309を含み、または図2および4(配列番号1または配列番号3)に示されたAeromonas hydrophila脂質アシルトランスフェラーゼ酵素におけるHis−309に対応する位置にヒスチジン残基を含む。] 図2 [0252] 好ましくは、GDSXモチーフのアミノ酸残基はLである。] [0253] 配列番号3または配列番号1において、最初の18個のアミノ酸残基は、シグナル配列を形成する。シグナル配列を含むタンパク質である完全長配列のHis−309は、そのタンパク質の成熟部分、すなわち、シグナル配列を含まない配列のHis−291と等しい。] [0254] 一実施形態において、本発明の方法および使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、以下の触媒性三連構造:Ser−34、Asp−306、およびHis−309を含み、または図4(配列番号3)もしくは図2(配列番号1)に示されたAeromonas hydrophila脂質アシルトランスフェラーゼ酵素におけるSer−34、Asp−306、およびHis−309に対応する位置に、それぞれ、セリン残基、アスパラギン酸残基、およびヒスチジン残基を含む脂質アシルトランスフェラーゼである。上記で述べているように、配列番号3または配列番号1に示された配列において、最初の18個のアミノ酸残基はシグナル配列を形成する。シグナル配列を含むタンパク質である完全長配列のSer−34、Asp−306、およびHis−309は、そのタンパク質の成熟部分、すなわち、シグナル配列を含まない配列のSer−16、Asp−288、およびHis−291と等しい。図3(配列番号2)に示されているように、pfam00657コンセンサス配列において、活性部位残基は、Ser−7、Asp−345、およびHis−348に対応する。] 図2 図3 図4 [0255] 一実施形態において、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、以下の判断基準を用いて特徴付けることができる脂質アシルトランスフェラーゼである: 酵素は、第1の脂質アシル供与体の本来のエステル結合のアシル部分がアシル受容体に転移されて、新しいエステルを形成するエステル転移活性として定義され得るアシルトランスフェラーゼ活性を有する;および 酵素は、少なくともGly−32、Asp−33、Ser−34、Asp−134、およびHis−309を含み、または配列番号3もしくは配列番号1に示されたAeromonas hydrophila脂質アシルトランスフェラーゼ酵素におけるGly−32、Asp−33、Ser−34、Asp−306、およびHis−309、それぞれに対応する位置にグリシン、アスパラギン酸、セリン、アスパラギン酸、およびヒスチジン残基を含む。] [0256] 適切には、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、以下のヌクレオチド配列の1つによってコードすることができる: (a)配列番号36として示されたヌクレオチド配列(図29参照); (b)配列番号38として示されたヌクレオチド配列(図31参照); (c)配列番号39として示されたヌクレオチド配列(図32参照); (d)配列番号42として示されたヌクレオチド配列(図35参照); (e)配列番号44として示されたヌクレオチド配列(図37参照); (f)配列番号46として示されたヌクレオチド配列(図39参照); (g)配列番号48として示されたヌクレオチド配列(図41参照); (h)配列番号49として示されたヌクレオチド配列(図57参照); (i)配列番号50として示されたヌクレオチド配列(図58参照); (j)配列番号51として示されたヌクレオチド配列(図59参照); (k)配列番号52として示されたヌクレオチド配列(図60参照); (l)配列番号53として示されたヌクレオチド配列(図61参照); (m)配列番号54として示されたヌクレオチド配列(図62参照); (n)配列番号55として示されたヌクレオチド配列(図63参照); (o)配列番号56として示されたヌクレオチド配列(図64参照); (p)配列番号57として示されたヌクレオチド配列(図65参照); (q)配列番号58として示されたヌクレオチド配列(図66参照); (r)配列番号59として示されたヌクレオチド配列(図67参照); (s)配列番号60として示されたヌクレオチド配列(図68参照); (t)配列番号61として示されたヌクレオチド配列(図69参照); (u)配列番号62として示されたヌクレオチド配列(図70参照); (v)配列番号63として示されたヌクレオチド配列(図71参照); (w)または 配列番号36、配列番号38、配列番号39、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、もしくは配列番号63として示された配列のいずれか一つと70%以上、好ましくは75%以上の同一性を有するヌクレオチド配列。] 図29 図31 図32 図35 図37 図39 図41 図57 図58 図59 [0257] 適切には、ヌクレオチド配列は、配列番号36、配列番号38、配列番号39、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、または配列番号63として示された配列のいずれか一つと80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上の同一性を有し得る。] [0258] 一実施形態において、本発明の方法および使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素をコードするヌクレオチド配列は、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号62、および配列番号63として示された配列のいずれか一つと70%以上、好ましくは75%以上の同一性を有するヌクレオチド配列である。適切には、ヌクレオチド配列は、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号62、および配列番号63として示された配列のいずれか一つと80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上の同一性を有し得る。] [0259] 一実施形態において、本発明の方法および使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素をコードするヌクレオチド配列は、配列番号49として示された配列と70%以上、75%以上、80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上の同一性を有するヌクレオチド配列である。] [0260] 適切には、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、以下のアミノ酸配列の1つまたは複数を含む脂質アシルトランスフェラーゼであり得る: (i)配列番号68として示されたアミノ酸配列 (ii)配列番号3として示されたアミノ酸配列 (iii)配列番号4として示されたアミノ酸配列 (iv)配列番号5として示されたアミノ酸配列 (v)配列番号6として示されたアミノ酸配列 (vi)配列番号7として示されたアミノ酸配列 (vii)配列番号8として示されたアミノ酸配列 (viii)配列番号9として示されたアミノ酸配列 (ix)配列番号10として示されたアミノ酸配列 (x)配列番号11として示されたアミノ酸配列 (xi)配列番号12として示されたアミノ酸配列 (xii)配列番号13として示されたアミノ酸配列 (xiii)配列番号14として示されたアミノ酸配列 (xiv)配列番号1として示されたアミノ酸配列 (xv)配列番号15として示されたアミノ酸配列 (xvi)配列番号16として示されたアミノ酸配列 (xvii)配列番号17として示されたアミノ酸配列 (xviii)配列番号18として示されたアミノ酸配列 (xix)配列番号34として示されたアミノ酸配列 (xx)配列番号35として示されたアミノ酸配列、または 配列番号68、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号34、もしくは配列番号35として示された配列のいずれか一つと75%、80%、85%、90%、95%、98%もしくはそれ以上の同一性を有するアミノ酸配列。] [0261] 適切には、本発明の方法および使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、配列番号68、もしくは配列番号3、もしくは配列番号4、もしくは配列番号1、もしくは配列番号15、もしくは配列番号16、もしくは配列番号34、もしくは配列番号35として示されたアミノ酸配列を含むか、または配列番号68として示されたアミノ酸配列、もしくは配列番号3として示されたアミノ酸配列、もしくは配列番号4として示されたアミノ酸配列、もしくは配列番号1として示されたアミノ酸配列、もしくは配列番号15として示されたアミノ酸配列、もしくは配列番号16として示されたアミノ酸配列、もしくは配列番号34として示されたアミノ酸配列、もしくは配列番号35として示されたアミノ酸配列と75%以上、好ましくは80%以上、好ましくは85%以上、好ましくは90%以上、好ましくは95%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含むかのいずれかである脂質アシルトランスフェラーゼであり得る。] [0262] 適切には、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、配列番号68、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号1、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号34、または配列番号35として示された配列のいずれか一つと80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む脂質アシルトランスフェラーゼであり得る。] [0263] 適切には、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、以下のアミノ酸配列の1つまたは複数を含む脂質アシルトランスフェラーゼであり得る: (a)配列番号3もしくは配列番号1のアミノ酸残基1〜100位として示されたアミノ酸配列; (b)配列番号3もしくは配列番号1のアミノ酸残基101〜200位として示されたアミノ酸配列; (c)配列番号3もしくは配列番号1のアミノ酸残基201〜300位として示されたアミノ酸配列;または (d)上記の(a)〜(c)に定義されたアミノ酸配列のいずれか一つに対して75%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上の同一性を有するアミノ酸配列。] [0264] 適切には、本発明の方法および使用に用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、以下のアミノ酸配列の1つまたは複数を含み得る: (a)配列番号3もしくは配列番号1のアミノ酸残基28〜39位として示されたアミノ酸配列; (b)配列番号3もしくは配列番号1のアミノ酸残基77〜88位として示されたアミノ酸配列; (c)配列番号3もしくは配列番号1のアミノ酸残基126〜136位として示されたアミノ酸配列; (d)配列番号3もしくは配列番号1のアミノ酸残基163〜175位として示されたアミノ酸配列; (e)配列番号3もしくは配列番号1のアミノ酸残基304〜311位として示されたアミノ酸配列;または (f)上記の(a)〜(e)に定義されたアミノ酸配列のいずれか一つに対して75%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上の同一性を有するアミノ酸配列。] [0265] 一態様において、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、EP1275711に教示されているようなCandida parapsilosis由来の脂質アシルトランスフェラーゼであり得る脂質アシルトランスフェラーゼである。したがって、一態様において、本発明の方法および使用に用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、配列番号17または配列番号18に教示されたアミノ酸配列の1つを含む脂質アシルトランスフェラーゼであり得る。] [0266] 非常に好ましくは、本発明の方法および使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、配列番号16として示されたアミノ酸配列、または配列番号16に対して75%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、さらにより好ましくは98%以上、さらにより好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む脂質アシルトランスフェラーゼであり得る脂質アシルトランスフェラーゼである。この酵素は、変種酵素とみなすことができる。] [0267] 一態様において、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、レシチン:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)またはその変種(例えば、分子進化によって生じた変種)であり得る脂質アシルトランスフェラーゼである。] [0268] 適切なLCATは、当技術分野において公知であり、例えば、以下の生物体、哺乳動物、ラット、マウス、ニワトリ、Drosophila melanogaster、ArabidopsisおよびOryza sativaを含む植物、線虫、真菌、ならびに酵母の1つまたは複数から得ることができる。] [0269] 一実施形態において、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、それぞれ、アクセッション番号NCIMB 41204およびNCIMB 41205として、2003年12月22日に、National Collection of Industrial,Marine and Food Bacteria(NCIMB)、23 St.Machar Street、Aberdeen Scotland、GBにおいて特許手続きのための微生物寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の下、Langebrogade 1、DK−1001 Copenhagen K、DenmarkのDanisco A/Sによって寄託されたpPet12aAhydroおよびpPet12aASalmoを有するE.coli菌株TOP 10から獲得可能な、好ましくは獲得された脂質アシルトランスフェラーゼであり得る脂質アシルトランスフェラーゼである。] [0270] 本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、リン脂質グリセロールアシルトランスフェラーゼであってもよい。リン脂質グリセロールアシルトランスフェラーゼとして、Aeromonas種、好ましくは、Aeromonas hydrophilaもしくはA.salmonicida、最も好ましくはA.salmonicidaから単離されたもの、またはそれらの変種が挙げられる。] [0271] 本発明に用いる最も好ましい脂質アシルトランスフェラーゼは、配列番号1、3、4、15、16、34、および35によってコードされる。アシルトランスフェラーゼのシグナルペプチドがトランスフェラーゼの発現中に切断されていることが好ましいことを、当業者は認識しているであろう。配列番号1、3、4、15、および16のシグナルペプチドは、アミノ酸1〜18位である。それゆえに、最も好ましい領域は、配列番号1および配列番号3(A.hydrophilia)についてのアミノ酸19〜335位、ならびに配列番号4、配列番号15、および配列番号16(A.salmonicida)についてのアミノ酸19〜336位である。アミノ酸配列の相同性または同一性を決定するために用いる場合、本明細書に記載されているようなアラインメントは、成熟配列を用いることが好ましい。] [0272] 一実施形態において、適切には、本発明に用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、配列番号16に示されたアミノ酸配列を含み(またはアミノ酸配列からなり)、または配列番号16に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む(またはアミノ酸配列からなる)。] [0273] 一実施形態において、適切には、本発明に用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、配列番号68に示されたアミノ酸配列を含む(またはアミノ酸配列からなる)、または配列番号68に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む(またはアミノ酸配列からなる)アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列によってコードされる。] [0274] したがって、相同性(同一性)を決定するための最も好ましい領域は、配列番号1および配列番号3(A.hydrophilia)についてのアミノ酸19〜335位、ならびに配列番号4、15、および16(A.salmonicida)についてのアミノ酸19〜336位である。配列番号34および35は、さらなる翻訳後修飾を受ける場合もあるし、受けない場合もある、それぞれ、A.hydrophiliaおよびA.salmonicida由来の脂質アシルトランスフェラーゼの成熟タンパク質配列である。] [0275] 本発明の方法および使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、Thermobifida、好ましくはT.fuscaからも単離することができる脂質アシルトランスフェラーゼであり得、最も好ましくは配列番号28によってコードされたものである。] [0276] 本発明に従って、および/または本発明の方法において用いる適切な脂質アシルトランスフェラーゼは、以下のアミノ酸配列のいずれか一つを含み得、および/または以下のヌクレオチド配列によってコードされ得る: a)脂質アシルトランスフェラーゼ活性を示すポリペプチドをコードし、かつ配列番号16に示されたポリペプチド配列と、または配列番号68に示されたポリペプチドと少なくとも70%同一(好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%同一)である核酸; b)配列番号16もしくは配列番号68に示されたアミノ酸配列、または配列番号16もしくは配列番号68と少なくとも70%同一(好ましくは少なくとも80%同一、より好ましくは少なくとも90%同一)であるアミノ酸配列を含む(またはアミノ酸配列からなる)(単離された)ポリペプチド; c)脂質アシルトランスフェラーゼをコードする核酸であって、配列番号49として示されたヌクレオチド配列、または配列番号49として示されたヌクレオチド配列と少なくとも70%同一(好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%同一)であるヌクレオチド配列を含む(またはヌクレオチド配列からなる)核酸; d)配列番号49として示されたヌクレオチド配列を含む核酸プローブに中程度または高いストリンジェンシー条件下でハイブリダイズし、かつ脂質アシルトランスフェラーゼ活性を示すポリペプチドをコードする核酸; e)a)、c)、またはd)に特定された核酸配列の断片である核酸;または f)b)に特定されたポリペプチドの断片であるポリペプチド。] [0277] 本発明の方法および使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、Streptomyces、好ましくはS.avermitisからも単離することができる脂質アシルトランスフェラーゼであり得、最も好ましくは、配列番号32によってコードされたものである。Streptomyces由来の本発明に用いる他の可能な酵素として、配列番号5、6、9、10、11、12、13、14、31、および33によってコードされたものが挙げられる。] [0278] 本発明に用いる酵素は、Corynebacterium、好ましくはC.efficiensからも単離することができ、最も好ましくは、配列番号29によってコードされたものである。] [0279] 適切には、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、配列番号37、38、40、41、43、45、もしくは47として示されたアミノ酸配列のいずれか一つ、またはそれらと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、もしくは98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む脂質アシルトランスフェラーゼであり得、または配列番号36、39、42、44、46、もしくは48として示されたヌクレオチド配列のいずれか一つ、またはそれらと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、もしくは98%の同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされ得る。] [0280] 一実施形態において、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素をコードするヌクレオチド配列は、以下からなる群から選択される: a)配列番号36に示されたヌクレオチド配列を含む核酸; b)遺伝暗号の縮重によって配列番号のヌクレオチド配列に関連している核酸;および c)配列番号36に示されたヌクレオチド配列と少なくとも70%同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸。] [0281] 一実施形態において、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、配列番号37に示されたアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも60%同一性を有するアミノ酸配列を含む脂質アシルトランスフェラーゼである。] [0282] さらなる実施形態において、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、配列番号37、38、40、41、43、45、もしくは47として示されたアミノ酸配列のいずれか一つ、またはそれらと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、もしくは98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む脂質アシルトランスフェラーゼであり得、または配列番号39、42、44、46、もしくは48として示されたヌクレオチド配列のいずれか一つ、またはそれらと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、もしくは98%同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされ得る。] [0283] さらなる実施形態において、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼ酵素は、配列番号38、40、41、45、もしくは47として示されたアミノ酸配列のいずれか一つ、または本明細書に記載された使用のための、それらと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、もしくは98%同一性を有するアミノ酸配列を含む脂質アシルトランスフェラーゼであり得る。] [0284] さらなる実施形態において、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、配列番号38、40、もしくは47として示されたアミノ酸配列のいずれか一つ、または本明細書に記載された使用のための、それらと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、もしくは98%同一性を有するアミノ酸配列を含む脂質アシルトランスフェラーゼであり得る。] [0285] より好ましくは一実施形態において、本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、配列番号47として示されたアミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、もしくは98%同一性を有するアミノ酸配列を含む脂質アシルトランスフェラーゼであり得る。] [0286] 別の実施形態において、本発明の方法および使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、配列番号43もしくは44として示されたアミノ酸配列、またはそれらと少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、もしくは98%同一性を有するアミノ酸配列を含む脂質アシルトランスフェラーゼであり得る。] [0287] 別の実施形態において、本発明の方法および使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、配列番号41として示されたアミノ酸配列、またはそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、もしくは98%同一性を有するアミノ酸配列を含む脂質アシルトランスフェラーゼであり得る。] [0288] 一実施形態において、本発明の方法および使用のいずれか一つに用いる脂質アシルトランスフェラーゼは、以下からなる群から選択される核酸によってコードされ得る: a)配列番号36に示されたヌクレオチド配列を含む核酸; b)遺伝暗号の縮重によって配列番号36のヌクレオチド配列に関連している核酸;および c)配列番号36に示されたヌクレオチド配列と少なくとも70%同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸。]
权利要求:
請求項1 a)約0.1〜5%w/wの水を食用油(好ましくは、粗製食用油)および脂質アシルトランスフェラーゼと混合する工程と、b)約45℃〜約90℃で約10分間と180分の間、前記混合物を撹拌する工程と、c)油相とガム相を分離する工程とを含む、食用油(好ましくは、粗製食用油)を水脱ガムする方法。 請求項2 d)最低約2時間と最高7日間の間、活性脂質アシルトランスフェラーゼ酵素を含む前記ガム相をインキュベートする工程と、e)前記ガム相から前記油を分離する工程とをさらに含む、請求項1に記載の方法。 請求項3 (好ましくは、食用油の脱ガム、例えば、水脱ガムもしくは酵素的脱ガムまたはそれらの組合せから獲得可能である、または獲得された)ガム相を処理し(前記ガム相を、最低約2時間と最高7日間の間、単独の、または1つもしくは複数のホスホリパーゼC酵素と組み合わせた1つまたは複数の脂質アシルトランスフェラーゼ酵素とインキュベートする)、前記ガム相から前記油を分離する方法。 請求項4 プロセスのpHが約pH5.0〜約pH10.0の間である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。 請求項5 前記脂質アシルトランスフェラーゼがGDSxモチーフおよび/またはGANDYモチーフを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。 請求項6 前記脂質アシルトランスフェラーゼ酵素が、アシルトランスフェラーゼ活性を有し、かつアミノ酸配列モチーフGDSX(Xは、以下のアミノ酸残基、L、A、V、I、F、Y、H、Q、T、N、M、またはSの1つまたは複数である)を含む酵素として特徴付けられる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。 請求項7 本発明の方法および/または使用のいずれか一つに用いる前記脂質アシルトランスフェラーゼが、以下の属の1つまたは複数由来の生物から獲得可能であり得、好ましくは獲得され得る、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法:Aeromonas、Streptomyces、Saccharomyces、Lactococcus、Mycobacterium、Streptococcus、Lactobacillus、Desulfitobacterium、Bacillus、Campylobacter、Vibrionaceae、Xylella、Sulfolobus、Aspergillus、Schizosaccharomyces、Listeria、Neisseria、Mesorhizobium、Ralstonia、Xanthomonas、およびCandida。 請求項8 脂質アシルトランスフェラーゼが前記Aeromonas属由来の生物から獲得可能であり、好ましくは獲得される、請求項7に記載の方法。 請求項9 前記脂質アシルトランスフェラーゼが、配列番号49、配列番号36、配列番号38、配列番号39、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、もしくは配列番号63として示されるヌクレオチド配列、またはそれらと75%以上の同一性を有するヌクレオチド配列のいずれか一つの発現によって獲得される、脂質アシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドである、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。 請求項10 請求項1から39のいずれか一項に記載の方法であって、ここで前記脂質アシルトランスフェラーゼが、脂質アシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドであって、以下:a)配列番号49として示されたヌクレオチド配列、またはそれと75%以上の同一性を有するヌクレオチド配列;b)前記ポリペプチドをコードする核酸であって、前記ポリペプチドが、配列番号16に示されたポリペプチド配列または配列番号68に示されたポリペプチド配列と少なくとも70%同一である、核酸;c)または配列番号49として示された前記ヌクレオチド配列を含む核酸プローブと中程度のストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする核酸の発現によって獲得されるポリペプチドである、方法。 請求項11 前記脂質アシルトランスフェラーゼが、Bacilluslicheniformisにおけるヌクレオチド配列の発現によって獲得されるポリペプチドである、請求項10に記載の方法。 請求項12 前記脂質アシルトランスフェラーゼが、配列番号68、配列番号16、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号17、配列番号17、配列番号18、配列番号34、配列番号35として示されるアミノ酸配列、またはそれらと75%以上の同一性を有するアミノ酸配列のいずれか一つを含む、脂質アシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドである、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。 請求項13 前記脂質アシルトランスフェラーゼが、配列番号68として示される前記アミノ酸配列、またはそれと75%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む、脂質アシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドである、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。 請求項14 追加として、ホスホリパーゼCが、油および/または水および/または脂質アシルトランスフェラーゼと混合される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。 請求項15 水脱ガムプロセスの完了後の油相において油の収率を増加させるための食用油の水脱ガムにおける脂質アシルトランスフェラーゼの使用。 請求項16 水脱ガムプロセスの完了後のガム相の粘性を減少させるための食用油の水脱ガムにおける脂質アシルトランスフェラーゼの使用。 請求項17 水脱ガムプロセスの完了後の油相において油の収率を増加させるため、および/もしくはトリグリセリドレベルを増加させるため、ならびに/または水脱ガムプロセスの完了後の油相においてジグリセリドレベルを低下させるための食用油の水脱ガムにおけるホスホリパーゼCと組み合わせた脂質アシルトランスフェラーゼの使用。 請求項18 未処理のガムと比較して、油の収率を増加させ、および/または向上したリンレベルを有する(酸性油の分離後の)固相を生じるための(食用油の脱ガム、例えば、水脱ガム、酵素的脱ガム、またはそれらの組合せから獲得可能であるか、または獲得された)ガム相のインキュベーションにおける(単独の、またはホスホリパーゼCと組み合わせた)脂質アシルトランスフェラーゼの使用。 請求項19 0.1〜4%w/wの水が前記食用油と混合される、請求項15から18のいずれか一項に記載の使用。 請求項20 酵素が、約45℃〜約90℃の範囲の温度で食用油に加えられる、請求項15から19のいずれか一項に記載の使用。 請求項21 脱ガムプロセスのpHが約pH5.0〜約pH10.0の間である、請求項15から20のいずれか一項に記載の使用。 請求項22 前記脂質アシルトランスフェラーゼが、約10分間〜180分間、前記食用油と反応する、請求項15から21のいずれか一項に記載の使用。 請求項23 前記脂質アシルトランスフェラーゼがGDSxモチーフおよび/またはGANDYモチーフを含む、請求項15から22のいずれか一項に記載の使用。 請求項24 前記脂質アシルトランスフェラーゼ酵素が、アシルトランスフェラーゼ活性を有し、かつアミノ酸配列モチーフGDSX(Xは、以下のアミノ酸残基、L、A、V、I、F、Y、H、Q、T、N、M、またはSの1つまたは複数である)を含む酵素として特徴付けられる、請求項15から23のいずれか一項に記載の使用。 請求項25 前記脂質アシルトランスフェラーゼが、以下の属の1つまたは複数由来の生物から獲得可能であり、好ましくは獲得される、請求項15から24のいずれか一項に記載の使用:Aeromonas、Streptomyces、Saccharomyces、Lactococcus、Mycobacterium、Streptococcus、Lactobacillus、Desulfitobacterium、Bacillus、Campylobacter、Vibrionaceae、Xylella、Sulfolobus、Aspergillus、Schizosaccharomyces、Listeria、Neisseria、Mesorhizobium、Ralstonia、Xanthomonas、およびCandida。 請求項26 前記脂質アシルトランスフェラーゼが前記Aeromonas属由来の生物から獲得可能であり、好ましくは獲得される、請求項25に記載の使用。 請求項27 前記脂質アシルトランスフェラーゼが、配列番号49、配列番号36、配列番号38、配列番号39、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、もしくは配列番号63として示されるヌクレオチド配列、またはそれらと75%以上の同一性を有するヌクレオチド配列のいずれか一つの発現によって獲得される、請求項15から26のいずれか一項に記載の使用。 請求項28 前記脂質アシルトランスフェラーゼが、a.配列番号49として示されるヌクレオチド配列、もしくはそれと75%以上の同一性を有するヌクレオチド配列;b.ポリペプチドをコードする核酸であって、前記ポリペプチドが、配列番号16に示されるポリペプチド配列もしくは配列番号68に示されるポリペプチド配列と少なくとも70%同一である、核酸;またはc.配列番号49として示されるヌクレオチド配列を含む核酸プローブと中程度のストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする核酸の発現によって獲得されるポリペプチドである、請求項15から27のいずれか一項に記載の使用。 請求項29 前記脂質アシルトランスフェラーゼが、Bacilluslicheniformisにおけるヌクレオチド配列の発現によって獲得されるポリペプチドである、請求項28に記載の使用。 請求項30 前記脂質アシルトランスフェラーゼが、配列番号68、配列番号16、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号17、配列番号18、配列番号34、配列番号35として示されるアミノ酸配列、またはそれらと75%以上の同一性を有するアミノ酸配列のいずれか一つを含むポリペプチドである、請求項15から29のいずれか一項に記載の使用。 請求項31 前記脂質アシルトランスフェラーゼが、配列番号68として示されるアミノ酸配列、またはそれと75%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである、請求項15から30のいずれか一項に記載の使用。 請求項32 前記脂質アシルトランスフェラーゼがホスホリパーゼCと組み合わせて用いられる、請求項15から31のいずれか一項に記載の使用。 請求項33 実施例および図を参照して本明細書で一般的に定義された方法。 請求項34 実施例および図を参照して本明細書で一般的に定義された使用。
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